【商売の楽しさ】農業の面白さを知った1年

2024年が終わろうとしています。

2023年12月1日に購入した農地が引き渡しになり、丸一年経ちました。

自前の土地だとやはり安心(だけどあくまで農地は農地)

農地を購入することに迷いはありましたが、現時点ではやはり自前の農地だと腰を落ち着けて耕作できる安心感があり、買って良かったと思います。農業委員会を通じて「借りる」場合は3年契約になりますが、3年ってあっという間です。都市部の農地は、返さないといけない状況になることも多いと聞いていますので、1箇所でも自前の土地があることはとても安心です。

今年、ビニールハウスを建てようか検討して、見積もりも作成してもらいました。今年は機械を購入することを優先して(後述)結局見送ったのですが、将来的にはビニールハウスを建てたいとも考えています。

ただ、自分の土地とはいえ、あくまで農地。自分の土地のようで自分の土地じゃないような感じです。草の管理もしっかりしないといけないし、農業委員会への提出書類もいろいろあり、「ちゃんとしないといけない」、「いつも見られてる」という感覚はすごくあります。

また、961平米のうち、今年は手が追いつかず、4分の1ほどは未開拓の状態で過ごしてしまいました。未開拓=草が生えて緑色の状態。この状態は「雑草地」として見られてしまう恐れがあります。「雑草地」として見られる・・・これは人づてに聞いた話であまり詳しくないのですが、雑草地として見られると色々と不具合が起こってくるようで、とにもかくにも雑草地として見られないように何も植えてなくても耕運だけはやっておいた方がいいよと聞いたことがあります。

雑草地かどうかは航空写真で判定されるから・・・と聞いています。この辺りは確かな情報は分からないですが(きちんと調べるのが怖いというのが本音です)、何かしら未開拓は良くないようです。

というわけで耕運だけは何回かしましたが、すぐに雑草が生えてきて、緑色になってしまう。いや、緑色ってなんやねん、ですが。

こんな感じで、とにかくちゃんと管理できていないことへの焦りに追われた1年でした。

整形機を購入

管理が追いつかないのは何で?いつも種まきや収穫も後手後手になって、目の前の草刈りもいつも後手後手になるのは何でだろう・・・。

よく考えると、畝立てにかなりの労力が割かれているなと気づきました。

以前のブログで記載しましたように、この畑では大阪府のエコ農産物の認証を受けて、栽培しています。エコ農産物の認証を受けるには1作物につき100平米以上という条件があるので、1つの作物の種まきをするためには、それなりにまとまった場所の準備ができている必要があります。

でも、例えば真夏だと、早朝や夕方だけ等の限られた時間の中で、畝立てを手作業でするにはかなり体力を消耗します。不耕起栽培にしたら畝を修復するだけだから楽なのでは?と思われるかもしれませんが、畝を修復って言っても1反ほどになると夫婦2人だけでは大変です。夫はまだ会社員で週末だけしかいませんし。

だから、とりあえず準備ができた畝から「今日はとりあえずこの畝だけ整えて種まきしよう」という感じで目の前のことだけやり、結局後手後手になって、間引きや除草などもおそろかになってしまうという悪循環でした。

手作業の畝立ては限界があるので畝立てを機械化したい・・・そして、思い切って新しい機械を購入しました。これです↓

「整形機」です。

つい最近納品になったばかりで、まだ試運転状態ですが、今まで半日掛かっていた作業が20分ほどで終わり、今まで何をやってたんだ?と虚しくなりました。この機械についてはまた改めて紹介いたします!

それなりに収穫でき、面白くなってきた

こんな感じで、完全に手が追いついていませんでしたし、梅雨までは水はけの悪さで、夏からは昨年以上の猛暑と干ばつで夏頃までは売り物がほとんどありませんでしたが、秋からはそれなりに収穫できるようになってきました。

サツマイモは全部で350キロくらい採れまして、少しずつ販売していますが、良い収入になっています。(ただ、シルクスイートに関してはちょっと問題が発生してしまいました。現在対応を相談中です。)

ニンジンも、早春蒔きのニンジンは水浸しで全滅でしたが、夏蒔きのニンジンはとても良い感じで育ちました。

この年末、金時ニンジンやアロマレッドニンジン、さつまいもを直売所に出荷したら、ものすごい勢いで買っていただけて、あっという間に完売しました。直売所では「売上報告メール」が1日に何度かくるのですが、二度見してしまったくらい。ありがたいことです。

とはいえ、金時ニンジンのようなお正月の縁起物については絶対に粗相があってはいけないので、やはり緊張します。いつも以上に入念にチェックして出荷しますが、買っていただいた方のお正月の食卓にのぼるものだと考えると責任重大だなと思います。

(ちなみに金時ニンジンは、梅の飾り切りができるくらいの太いもの2本を1袋にして、そこまでの太さがないものはお雑煮用ということで3本または5本または7本を1袋にし、全て税込220円で販売しました。スーパーではもっと高い値段で販売されていましたが、直売ということでかなり控えめの値段にしました。)

2023年、猛暑。2024年、さらに猛暑。秋の猛暑と渇水で12月現在も野菜の高騰が続いています。

これまでは野菜の値段が安すぎて「やりがい搾取」状態が続いてきた農業ですが、ちょっと風向きが変わったできたのかなと思います。農業新聞を見ていても、原価を考慮した野菜の値付けにすべく、国としてもフォロー体制を整えようとしているのが感じられ、野菜が高騰しているというけれども、この値段が今後定着していく可能性も高いんじゃないかと思います。

収穫ができて、自分の責任のもとで販売し、まともな値段で売れる。これって、すごい楽しいです。

これからは農業が面白くなるんじゃない??と、すごくワクワクしています。

農業だけで食べていけるように

現在は、夫が会社員で収入があり、私も農業以外に収入があります。なので、仮に農業の収入が全くなくても今は大丈夫な状態です。

だけど、夫の定年退職が見えてくる中、少しずつ農業がメインの収入になるようにしていきたいと考えています。

よく「定年退職後に農業をしたい」と聞きますが、実家が農家というわけでもなく、私のように完全に新規に就農する場合は、絶対に助走期間はあった方がいいです。定年退職していきなり農業を始めようと思っても体力的にも金銭的にもかなりしんどいと思います。

農業は儲かるか?

農家さんに「農家って儲かりますか?」と聞いたとします。そしたら10人中8人がきっとこう答えます。

「うーん、それなりに収入にはなるけど、機械代が高いねんなぁ」。

商売の街である大阪には「儲かりまっか?」「ボチボチでんなぁ」というお決まりの会話があります。この会話のような感じで、農家のみなさんはお決まりのように「機械代がなぁ」と言うので「そんなに??」と不思議に思っていたのですが、新規就農して3、4年経つと「ホンマや・・・」と分かってきました。

機械がなくてもできる人もいるけれど、前述したように、ある程度の機械がないと管理が追いつかないです。自分の人件費って無視してしまいがちですが、人力だけでは私の時給いくらよ?ってなります。

あ、それから、「種まきごんべぇ」も買いました!去年、「来年は種まきゴンベぇを買ってるかも」とブログで書いたような気がしますが笑。これも届いたばかりでまだ使えていないのですが、またブログで書きたいと思います。

こんな感じで、今年は前半はほとんど収穫がなかった、1年を通して手が追いついていなかったといったこともあり、私自身は現時点で儲かってるとは到底言えないのですが、少しずつ「見えてきた」ので、来年以降とても楽しみです。

来年は、6次産業を目指します!

2025年は、ズバリ、6次産業を目指すつもりです。

2024年には、菓子製造業許可や飲食店営業許可を取りましたが、自分で作るというのも時間が限られているので、OEMとして食品工場に加工を委託して自社ブランドで販売できるようにしたいなと考えています。

実はもう小さな一歩ですが動き出しています。まだどうなるか分かりませんが・・・

自分一人でできることなんて限られているので、いろんな方とwinwinの関係を築き、良いものを作っていけたらなと思っています。

ちなみにこういう考えは、今年受験した中小企業診断士の勉強がかなり役に立っていて、いろんな知識を身につけると世界が広がるなと実感。

今年は、JAの方や、大阪府や堺市の農業関係者の方、いろんな方にすごく助けられた1年でした。もしこのブログを読んでくださっていたら、ここで感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございました。

来年もきっとお世話になること間違いなしなので、引き続きよろしくお願いします(笑)!

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