【怒涛の10月】中小企業診断士の2次試験を受験、農業に活かしていきます!

新規就農して4回目の10月。

毎年「怒涛の10月」と書いていますが、やっぱり今年も怒涛の10月でした。

10月は周囲の農家さんは稲刈りで忙しいと思いますが、私はお米をしていません。なんでそんなに忙しいの?と自分でも思いますが、10月って、種まきとその後の管理、そしてさつまいも等の収穫、玉ねぎの植え付け準備といった具合に、入り口と出口両方の追い込みがあるんですよね・・・

春の農繁期は、言うても収穫はそんなにないので、10月がやっぱり一年で一番てんやわんやしている気がします。

そして、今年は加えて「中小企業診断士」の2次試験を受験し、過去イチ大変な10月でした。

なんで中小企業診断士?

中小企業診断士は、経営コンサルタントの国家資格で、歳をとったり病気をしたりで農業がしんどくなってきたとしても食べていけるように、という理由で勉強しています。また、農業経営にも使える知識がいっぱいなので、勉強していて面白いということもあります。

私は以前、まだ農業をしたいなんて1ミリも考えていなかった若い時に、USCPA(米国公認会計士)の勉強をしていました。4科目のうち財務会計だけ合格しましたが、残り3科目は1点足らずに不合格になったりでなかなか受からず、そのうち受験料の値上がりが許容できないくらいになってきて、受験を諦めてしまいました。

でも勉強したことを無駄にしたくないという気持ちがずっと残っていて、この中小企業診断士にチャレンジしてみようと考えました。

中小企業診断士の1次試験は、8月の最初の土日にあり、①企業経営、②運営管理、③経済学、④財務会計、⑤情報システム、⑥法務、⑦中小企業政策、と7科目あり、2日間に渡って実施されるマークシート方式の試験です。1次に合格したら2次に進めます。私は1次試験は去年3科目合格、今年は残りの4科目を受験して合格したので、10月27日に2次試験を受けてきました。

謎のアレルギー発症

2次試験は4科目で1次試験と異なり、「この会社の長期的成長に向けて120字以内で助言せよ」「社長はなぜこれを行なったと考えられるか、100字以内で述べよ」という感じの記述式の試験です。知らんがな・・・と一言で答えてしまいたくなるような問題が多いです。

記述式の試験・・・どう勉強すればいいのか分からず、9月は種まきに追われてたということもあって、1ヶ月前の時点で過去問集を購入したくらいでほぼ何も勉強していない状態でした。もう受験を辞めようかな、そもそも助言せよなんて、今後はchatGPT等のAIの性能もぐんと上がっていくだろうし、人間に相談する人なんていなくなるんじゃないの?なんて辞める理由ばかり考えてました。

結局せっかく1次に合格したので「やっぱりやろう!」と決めて、そこからは猛勉強しました。

でも、今年は10月もかなり厳しい残暑が続き、雨もほとんど降りませんでしたので、畑は休めません。平日は午前中に畑に行って水をやり、間引き、除草、畝立て、種まきの追い込み、帰宅後、まだ身体に熱がこもっている状態で勉強机に向かう、週末は夫とともにいも掘り、にんにくの植え付け、除草、やはり熱がこもっている状態で夜に勉強。息抜きに毎日「もちまる日記」を見るのだけはOKとしました。

そんな日々を続けていたら、試験1週間前、急に謎の広範囲のじんましんに襲われました。発熱しているわけじゃないけれどとにかく暑くて、あちこちにじんましんを出しながら、おでこに冷えピタを貼り、ネッククーラーをして勉強してました。あと1週間の辛抱だから・・・と。机に座ったらじんましんがまた暴れ出すという謎のアレルギーも「勉強アレルギーって本当にあるんや〜」とか言いながら酷くなる一方でした。

さすがにじんましんを出しながら日光に当たるのは怖かったし、予定していた種まきは全て終わったし、雨も降ってくれたので、ラスト1週間は畑もお休みしました。

一皮むけたと実感して感動

そんなこんなの破れかぶれで10月27日、受験しましたが、比較的得意と思っていた最後の科目でも玉砕し、案の定、付け焼き刃の勉強ではどうにもならないと思い知らされました。1次試験も結構大変でしたが、2次はその上をいく大変さ・・・。来年は1次試験は免除ですが、同じ勉強を来年も孤独に戦うにはしんどいので、さすがに予備校に通おうかと迷っています。気が重いです。

一方で、久しぶりに真剣に勉強したという充実感もあります。(爽快感はないです。)

試験の次の日、ソラマメのタネを買うのを忘れてることを思い出し、種屋さんのオンラインショップでソラマメの種を選んでいたとき、「直売所で売るならポーターが言ってるように差別化戦略を考えないと行けないから生で食べられるのを買ってみようかな、ニーズはどういうものなんだろうか、・・・ていうか今頃買うって、材料の在庫管理はもっとちゃんとしないと機会損失が発生してしまうんじゃないの」とか自然に頭に浮かんできて、「おぉ!診断士っぽい思考回路になってる!!」と感動しました。

それくらいは常識やろ、とツッコミ入れられそうですが、今まで頭の中にぐちゃぐちゃに入っていたものが整理されたような感覚になり、一皮剥けてスッキリした感じです。勉強ってこういう瞬間があるから面白いなと思います。

農業でめっちゃ使えるやんっ!!

今回受験した中小企業診断士の2次試験は、架空の会社の状況がつらつらと3ページくらい記載されていて、それを丁寧に読み取って分析して回答を記述するんですが、5年分の過去問と解説を読んで、ざっくりした共通点があるのが分かりました。(ちなみに過去問を5年分しかやってないと言うのはだいぶ少ないです・・・)

・継続的・長期的に成長するには、その会社の「強み」を見つけてそれを活かすこと
・「強み」の定番は、高品質な商品・サービス、高い技術力、顧客への提案力
・売れなくても「値段を下げましょう」との助言は基本的にしない
・ありふれたものをそれなりのお値段で売るのではなく、高い付加価値をつけて収益性を高めること
・いくらいい商品でも売れるのを待つのではなく、ニーズを収集→分析→商品の企画開発→顧客に提案という一連の流れが必要
・新規顧客開拓を継続的に行うことが大事
・協業できる会社を見つけてうまく活用すること

そして、これってめっちゃ農業でも使えるやん!!と気づきました。

目指す方向は薄利多売ではなくて、高品質なものを収益性を高く保てるように販売するべきである。受験勉強しながら、自分の状況と照らし合わせて耳が痛くなってしまいました。

ただ、試験に出てくる架空の会社はなぜかすでに高い技術力を持っている会社がほとんどで、技術力や高い品質の商品を持っているにも関わらず売上が低迷していて中小企業診断士に相談したというケースで・・・その域に達するのが苦労するんですけどね・・・

そういえば過去問でも農業生産法人の事例の出題がありました。その会社は有機JASとJGAPを取得していて加工品の卸しやカフェの経営をしているということで、この会社の「強み」は何か?との問題でしたが、私からしたら強みだらけにしか見えなかったです。

うちの農園の「強み」「弱み」は?

強み・・・大消費地に比較的近い。多品種少量で提供できる(かも)。

弱み・・・労働力が足りない、労働生産性が低い。技術力が弱い。

と、自分の農園の分析をしようとすると自信がある強みが思い浮かびません・・・。高い付加価値をつけるのに絶対に必要なのは技術力で、年々身についてきているとは思いますが、まだまだ日進月歩ですので、強みを伸ばすというか、それよりまずは技術力を身につけないといけないなと思っております。

でも・・・と、ここでいきなり宣伝ですが、今年のさつまいもは自分でもなかなか良いのができたと思っています。

この辺の土質では形のいいさつまいもを育てるのは難しいと言われていますが、割ときれいなものが採れました。筋も少ないです。

今年育てているのは、べにはるか、シルクスイート(上の写真)、坂出金時、パープルスイートロード(紫芋)の4種類です。農薬不使用の苗を入手し、牛フン堆肥やビニールマルチを使わず、緑肥でセンチュウ対策をしました。4種類いずれも大阪府のエコ農産物の認証を受けています。

まだ紅はるかとシルクスイートの一部しか掘れてないのですが、最初に掘ったものは3週間ほど経っていますので、少しずつ販売していきます。堺市南区のハーベストの丘に併設されている直売所「またきて菜」にて11月9日(土)から週末のみ販売していきますので、お近くの方は手に取っていただければ嬉しいです。

また、ブログに書きそびれていますが、菓子製造業許可も取れたので、このお芋を使って何か加工品を作りたいなと思っています。これについてもまた状況をブログに書いていきます。


今年の夏は、梅雨明け前からの猛暑で早朝出勤が始まり、10月も30度超が連日続き、本当に長かった。11月に入ってもまだ茄子、ピーマンが元気です。下の写真は11月3日に撮影した賀茂ナスです。

でも11月に入っていよいよ気温も下がり、いろいろあった今年の夏ですが、ようやく終わりそうです。試験が終わってホッとする間もなく、やらないといけないこと、やりたいことがたっぷりあります。

時間と体力は有限なので何を優先して何を削減するか・・・悩むところですが、いの一番に削減したのは、夫のワイシャツの背広で隠れる部分のアイロンがけでした。もう適当でいいや、って感じで笑。

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