【就農にあたって】マンションでの育苗と2021育苗中の野菜「トマト・ナスビ編」

4月になりました。

この時期は何を植えてもすんなり育つので、カブラやコールラビなど、いろいろと種まきをしたいところですが、畑は3月27日に微生物資材をすき込んだところですので、何もまくことができません。(この微生物資材を販売していた営業のおじさんによると、すき込んでから30日経過しないうちに種まきすると、種まで微生物に分解されてしまうそうです。)

とりあえず、自宅で育苗三昧です。これまでの市民菜園と比べて格段に広い場所になったとはいえ、好きなものを自由に育てるのではなく、「売る」ことを考えて育てるものを考えてみました

とは言ってもやっぱり私自身が「これは食べてみたい」と思うものばかりになってます・・・。でもいろんなものを育ててみて、土地に合う等でおいしく育つものを取捨選択して毎年洗練していけばいいかなとも思います。

厳選して選んだ今年のラインナップをご紹介します(させてください!)。長くなるので当記事はひとまず「トマトとナスビ編」です。

<目次>

  1. こんな方法で育苗しています
    • 芽出しさせてからポットに移植
    • ポケット催芽
    • ベランダのビニールハウスで
  2. 現在育苗中のラインナップ
    • トマト
      • Cuor di bue 雄牛の心臓(大玉トマト・固定種)
      • パープルローズ(ミニトマト・おそらく固定種)
      • Snow White(ミニトマト・エアルーム)
    • トマティーヨ
      • パープルトマティーヨ(固定種)
    • ナスビ
      • ヴィオレッタ・ディ・フィレンツェ(固定種)
      • Bride(エアルーム)
      • 翡翠ナス(固定種)

1.こんな方法で育苗しています

トマトとナスビのラインナップのご紹介の前に、育苗方法をご紹介します。私の育苗場所は自宅のマンションで、これまでの家庭菜園ならマンションでも十分でしたが、これからは質の良い苗を大量に作らねばならず、ビニールハウスがあればなぁ、日当たりの良い一戸建てならなぁ・・・と欲が尽きませんが、言ってもしょうがないのでベランダの日当たりのよい場所を洗濯物と取り合いながら何とか育苗しています。

芽出しさせてからポットに移植

今年選んだタネは今のところすべて固定種です。以前、『家庭菜園では「固定種」のタネをオススメします』という記事を書きましたが、今後もできるだけ固定種で頑張ってみようかなと考えています。

固定種は個々のタネに個性があって発芽のスピードもマチマチです。発芽してもあまりよくないものも混ざっているので、まずは小さめのセルトレイに撒いていって、良い状態で発芽したものから順に、竹串2本をお箸のように使ってポットに移植していきました。

固定種じゃなくF1のタネならば、最初からポットに、もしくはポケット催芽(後述)をしてから1ポットに1粒ずつ撒いていくやり方をしていると思います。

セルトレイで芽出し

このセルトレイを使いましたが、もうひと回りか、ふた周り大きいセルでも良かったかもしれません・・・。自分の中でやり方が定まるまでまだまだ時間がかかりそうです。You Tubeでたくさんの人が参考になる動画を上げてくれているので日々勉強させてもらっています。

種まき用の土は、これまではホームセンター等で売られているものを使っていましたが、今後は有機JAS対応のものを使っていきますので、「EM有機培土」というのをヤフー・ショッピングで購入し、初めて使ってみました。

※上の写真のセルトレイのは、「種まき用」のこちらを使っています↓
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※芽がでたらポットに移植していきますが、「ポット用」のはこちらを使っています↓
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これまで使っていた種まき用の土はきつい消毒の匂いが苦手でしたが、こちらはさすがに消毒の匂いはしません。吸水も早くて使いやすいです。良い苗ができるかどうかはまだ育苗の初期段階ですのでなんとも分かりません。

ポケット催芽

これまでの経験から、トマトはすんなり芽がでてくれるけれどもナスビやピーマン系は遅い、という感覚があります。今年もやはりその傾向が見られ、ナスビやピーマン系は追加で「ポケット催芽」をしていきました。

「ポケット催芽」は私が社会人農業スクールに通っていたときに教わった方法で、ポケットの中に入れて人肌で温めて発芽を促すというものです。

湿らせたキッチンペーパーにタネをくるみ、チャック付のビニールに入れたものをポケットにいれます。

ポケット催芽

これはヴィオレッタ・ディ・フィレンツェというナスビ(後述)ですが、土に種まきしたものは3週間ほどかかってようやく2割ほど発芽しましたが、「ポケット催芽」では4日ほどで100%根っこがでてきました。

その後に土に埋め、地上に姿を現すまで3,4日ほどというところです。

この発根したものを土に埋めるときは「根っこを下にしてピンセットで埋める」というのがセオリーなのですが、深さや角度とかちょっとした埋め方によって変な発芽をしてくるものもあるので、時間はかかっても普通に種まきした方が確実かなぁと思ったりもします。これもまだまだ自分の中で模索中です。

「ポケット催芽」はニワトリのお母さんが卵を温めてるような感覚で愛情をもって温めますが、それは最初だけで、増えてくるとちょっと扱いが雑になっていったりします。この前はパジャマのポケットにいれたまま、洗濯してしまいそうになりました。

これはあかんと思い、この手段を使うことにしました。↓

ポケット催芽

ノートパソコンで温める。

私の使っているパソコンは発熱すると有名なMacBook Proで、実際、キーボードのあたりがいつもホカホカしています。おかげさまで随分発根しました。あまりオススメはしませんが・・・。

ベランダのビニールハウスで

ベランダには、簡易ビニールハウスを置いていて、冬場、こぶみかん、プルメリア、ドラゴンフルーツなど「本当は室内に取り込んだ方が良いけれどちょっと無理」という熱帯の植物を越冬させるのに使っています。購入したのは確か5,6年前で、コーナンでセールになっていたときに2000円くらいで買ったものです。

ポットに移植した後の苗は、この簡易ビニールハウスの中で育てています。2000円だったのに、ものすごく重宝していて、もはや必需品です。

簡易ビニールハウス(ベランダでの育苗)

でも、5年も経てばビニールがガビガビに固くなり、ファスナーが閉まらなくなりました。すきま風が入ってきます。

このためか、今年はコーヒーの木の越冬に失敗して枯らしてしまいました・・・そろそろ買い替えかな(泣)

育苗グッズも専用のマットやら保温器やらいろいろ売ってますが、どれも結構高くて、悩ましいところです。

2.現在育苗中のラインナップ

どんなものが買われやすいのかはやってみないと分からないので、今年は少量多品種でいろんなものを実験的に育ててある程度方向性がつかめてきたらもう少し絞って効率化していくという方針でいきます。

とりあえず、今育苗中のラインナップ(トマト・ナスビ)です。

トマト

・Cuor di bue 雄牛の心臓(大玉トマト・固定種)
大玉トマトです。固定種のトマトで探すとそれだけで選択肢がかなり絞られてきます。こちらは、生食も加熱もOK、酸味少なめ、ハート型、ということで育ててみることにしました。牛の心臓はハート型なのか?と疑問が浮かびましたが、たぶん違うだろうと思ってそこは追求していません。甘くて美味しいけれど、少し割れやすいと情報をネット上で見かけたので、うまく育てられるかビビっています。割れたらさすがに売りものにならない・・・こういうときに、加工場があれば「割れてもトマトソースにして商品にする」ということもできるので、早い段階で加工場を持ちたいところです。

トマト・牛の心臓

4月1日時点の様子。割とすんなり発芽してくれました。

・パープルローズ(ミニトマト・おそらく固定種)
藤田種子さんのミニトマトです。商品説明に「固定種」と書かれていないのですが、ネットで調べてみると固定種としてタネを販売されているサイトがあったので、おそらく固定種です。濃い紫色から熟すにつれて赤くなっていくそうです。アントシアニン豊富というところに惹かれました。アントシアニンといえば、抗酸化作用、目に良い、など、最近、お疲れ気味の私には、今すぐ摂取したいトマトです。

ミニトマト・パープルローズ

4月1日時点の様子。発芽率7割くらいでしょうか。

・Snow White(ミニトマト・エアルーム)
エアルームのミニトマトです。上記2種のタネを入手した後、もう一種類ミニトマトを育てようと思って急遽購入しました。商品説明には「びっくりするほど甘い」と書かれていて、これは食べたい!と即決。上のパープルローズがやや酸味があるものなので、こちらは甘さ重視です。白いミニトマトができるようです。

ミニトマト・スノーホワイト

とても良いタネだったのか、発芽も早く、発芽率も100%でした。これは4月1日時点の写真でまだ小さいですが、雄牛の心臓、パープルローズは双葉が踊っているのに、こちらはシャキーンとしていて生命力が感じられます。楽しみ!

ちなみに、前にイタリアンのお店でバイトしていた際、シェフが「甘いだけのトマトなんてぜんぜん美味しいと思わない、適度な酸味がないと。」と言って、「これ美味しいから食べてみて」と試食させてくれたトマトがかなり酸っぱかったのを思い出します。トマト単独で食べるのではく、ソースやワインに合わせることを考えると甘いトマトは敬遠されるのか・・・難しいですが、とにかくいろいろ試してみようと思います。

トマティーヨ

・パープルトマティーヨ(固定種)
トマティーヨというのは私も食べたことがないのですが、サルサソースに使われるちょっと酸味のある野菜のようです。夏の暑い食欲のないときに酸味のあるものって食べたくなるので、これは食べてみたい!と思って育てることにしました。その中でも藤田種子さんの「パープルトマティーヨ」を選びましたが、これは普通のトマティーヨよりは少し甘みのあるタイプだそうで、食べやすいかなと思って選びました。

トマティーヨ

4月1日時点の様子。トマティーヨという名前からトマトと似ているのだろうと想像していましたが、今の所、トマトとは全然違う葉っぱの形です。

ナスビ

・ヴィオレッタ・ディ・フィレンツェ(固定種)
ナスビもたくさんの品種がありますが、固定種でおいしいナスビを育てたいと考えて検索したところ、このナスビが見つかりました。世界一美味しいというナスビだそうです。これは絶対に食べたい!と育てることにしました。

ヴィオレッタ・ディ・フィレンツェの育苗

4月1日時点の様子。3月8日に種まきをしてようやくこんな状態です。24粒撒いて4粒発芽。

全然足りないので、上述の「ポケット催芽」で株数を増やそうとしているところです。

・Bride(エアルーム)
ヴィオレッタ・ディ・フィレンツェは加熱するとトロトロでおいしいらしいのですが、生でもおいしいものがほしいと思い、こちらを育てることにしました。果肉は柔らかくて苦味がない、白い長なすで、刷毛でサッと塗ったような紫の模様が入るそうです。同じ白ナスのトキタ種苗さんの「とろーり旨ナス 揚げてトルコ」と迷いましたが、こちらにしました。

ナス・ブライドの育苗

3月15日に種まきして、4月4日時点でこんな感じです。

・翡翠ナス(固定種)
私が研修させてもらっている有機農家さんが、「翡翠ナスが一番うまい」と意気揚々と話していたので、育てることにしました。おいしいというものは何でも試してみないと!

翡翠ナス

このパッケージの写真がもう美味しそうです。

ポケット催芽

ですが、3月22日に6粒のポケット催芽を開始して、4月5日時点で発根したのは1粒だけです。なかなか「やる気スイッチ」をオンにしてくれないナスビです。


以上、今そだてているトマトとナスのラインナップをご紹介しました。西洋の野菜は日本の土では育てにくいと言いますし、初めての圃場で水の管理なども手探りで難しいトマトとナスビをきちんと育てられるか分かりませんが、また成長の過程をご紹介していきたいと思います。おいしい野菜になりますように!

追って、ピーマン、トウガラシなど、他の育苗ラインナップもご紹介します。

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