【メリットいっぱい】もみ殻くん炭づくりのススメ

タイのオーガニック農園で研修させてもらった時、「もみ殻くん炭は簡単に作れるし、有機栽培にはとてもいい資材なので、是非自分で作ってください」と教わりました。

もみ殻くん炭には、次のようなメリットがあるとのことです。

  • 土壌の酸度調整
  • 病原菌の発生を防ぐ
  • 微生物を増やして土をふかふかにしてくれる など

タイは雨が多くて土が酸性になりやすいため、そのオーガニック農園では年に2回すべての圃場にもみ殻くん炭を投入していると話されていました。もみ殻くん炭を作る専用の器具さえあれば簡単に作れる、その器具も数千円程度、ということでした。

研修を受けたのは6年ほど前ですが、去年までは市民菜園で野菜づくりをしていたので、さすがにもみ殻くん炭づくりはできず、いつか広い農地が借りられたら作りたいと考えていました。

念願の広い農地が借りられて7ヶ月ほど経過しました。その農地はスギナがたくさん生えている酸性土壌、さらにお世辞にも土が肥えているとは言い難いガチガチの土・・・これはまさに、「さぁ、今こそもみ殻くん炭を作りなさい」という状況です。まずは何とかしてもみ殻を入手しなければ!

この記事では、初めてもみ殻くん炭を作ってみたレビューを書きます。

<目次>

  1. もみ殻の入手
  2. もみ殻くん炭器の入手
  3. いざ、くん炭づくり
    • 焼き芋の準備もお忘れなく
    • 燃えるものをたくさん詰めて、いざ点火
    • 消火
    • 完成!
    • 翌日、チェック
  4. 注意点などまとめ

1.もみ殻の入手

もみ殻は、くん炭じゃなくても用途はたくさんあるため、市民菜園時代もよく使っていました。園芸店などで購入していましたが、値段は100リットルで400円くらいだったと思います。結構高いなと思いながらも、市民菜園で使うくらいなら許容範囲でした。しかし、さすがに農地で使うにはもっとたくさん必要なので、別の入手方法を探さなければいけません。

SNSでは、「ライスセンターで無料で大量のもみ殻を入手した!」といったことがタイムラインに流れてきたりしますが、私は軽トラを持っていません。仮に無料で入手できる先があったとしても、大きな袋に入れて夫の愛車にぎゅうぎゅうに詰め込んで何度も往復するという感じになるので、うーん、もっと近場で入手できないかな・・・と困っていました。

そんな時、お隣の田んぼで稲刈りをされていたので「あの・・・もみ殻をいただくことはできないでしょうか?」と聞いてみたら、なんと「いいよ、くん炭つくるのも手間かかるし廃棄に困るだけだから」と言ってくださいました!

さらに、「ここに置いといたらいい?」ということで、なんと、うちの畑に置いてくださいました!

こんなありがたい話があるとは!本当にとてもとても有り難かったです。採りたての新米も購入させていただいて、こんなことは市民菜園時代にはなかった喜びです。

さすがに貰いっぱなしは気が引けるので、感謝の気持ちとして、ビールをお渡しするつもりです。

2.もみ殻くん炭器の入手

もみ殻をくださった農家さんからは、ドラム缶があればくん炭が作れる、と教えてもらいましたが、ドラム缶を買おうとしたら割と高価でしたので、もみ殻くん炭づくり専用の器具を購入しました。ホームセンターにも売っていますが、今はもみ殻くん炭づくりのシーズン、ホームセンターに行っても品切れだったら嫌なので、アマゾンで購入しました。こちらです↓。

アマゾンプライムの対象外で別途送料がかかりましたが、注文してすぐに届いたので助かりました。簡単な説明書も添付されていました。

新品ピカピカ、デビュー待ちのくん炭器。自宅で夫のトロンボーンたちの隣で違和感なく並んでいます。

・・・ということは、わざわざくん炭器を購入しなくても、夫のトロンボーンをくん炭器として使っても良かったんじゃないかと思えてきました。

3.いざ、くん炭作り

タイで受講した研修では「一昼夜かかる」と聞いていましたが、アマゾンのレビューによると2時間半ほどでできたと書かれていました。一旦火をつけるとその場を離れることはできないので、どれくらいの時間でできるのかは結構重要です。量にもよるのだろうと思いますが、2時間半ほどでできるということを信じて作業を開始しました。

焼き芋の準備もお忘れなく

とりあえずお約束ですが、ニンニクと、前週に試しぼりしたパープルスイートロードをアルミホイルに包んで焼ニンニクと焼芋もついでに作ります。

燃えるものをたくさん詰めて、いざ点火

器具に枯れ草と着火用の紙を詰めて点火します。

14時27分。点火。すぐに煙突を立てます。

えーっと、写真でバレバレですが、実はこの日、一度午前中に火をつけて作業を開始したのですが、途中で火が消えてしまいました。これはやり直した時の写真です。煙突から煙がでてなくておかしいなと思いながらもこういうもんだろうと思って続行しましたがなかなか黒くなってこず、さすがに時間がかかり過ぎだと不安になってスマホで調べると、火が消えている状態だとわかりました。

トイレ休憩を挟んで最初からやり直し。詰め物が少なくて火が消えたのだと思うので、今度は途中で消えないように、たくさん詰めました。

14時29分(点火2分後)。

煙突を立てた後は、もみ殻をかぶせていきます。この点火直後の煙がすごくて、苦情がこないかヒヤヒヤしました。この日はたまたま周りにお布団や洗濯物を干しているところがなかったのが救いです。そういう意味でもあまりいい天気の日は避けた方が無難かもしれません。

14時40分(点火から13分後)。

しばらくすると煙が青白くなってきます」とググった先に書いてありましたが、まさにそういう煙になってきました。

いつもアドバイスをくださる近くのおじさんがまた見に来てくれて、この煙から木酢液を作る人もいるとおっしゃっていました。くん炭作り初心者の私には「へー」としか言えない豆知識ですが、ちょっと慣れてくればこういった副産物づくりにもトライしてみようと思います。煙まで無駄なく使うなんて、まさにSDGs。

15時9分(点火から42分後)。

おお、黒いシミができてきました!混ぜていくと、ごま塩みたいになってくると説明書に書かれていましたので、適宜クワなどで混ぜていきました。煙突からはずっと青白い煙がでてきます。

15時40分(点火から1時間13分後)

説明書どおり、ごま塩状態になってきました。

この日、点火直後はほとんど風がなかったのですが、夕方に近づくと時々強い風が吹くようになってきました。そうすると、もみ殻が飛びそうになったり、炎があがりそうになったりで少し怖かったです。強い風の予報がでているときはくん炭作りは避けた方がいいかもしれません。

16時30分(点火から2時間3分後)

煙突から煙はでているので火は消えていませんが、ごま塩状態からなかなか進みません。おそらく、原因は、混ぜすぎです。初めてのもみ殻くん炭づくりで気合が入りすぎて、必要以上に混ぜてしまっていたように思います・・・。あまり触らなければもっと早く仕上がるはず。

夕暮れになって、ちょっと焦ってきました。写真奥のもみ殻には、ハトがたかっています。人間もなめられたものです。

消火

17時9分(点火から2時間42分後)

もみ殻くん炭っぽくなってきました。17時にもなると、やや辺りも暗くなり、焦ります。まだ生のもみ殻も残っていますが、もうここで完成とし、消火作業に入ります。

煙突をクワなどで倒して、くん炭を広げ、ジョウロで水をかけていきます。この作業中も炭化が進んでいます。ここで確実に火を消さないと、そのまま燃え続けるので、せっかく作ったくん炭が翌日畑に来たら真っ白の灰になっていたという写真をときどきSNSで見かけます。消えていないもみ殻が風で飛んだりしても危ないですし。

あと、この消火作業中、自分の足先にくん炭を広げてしまわないように注意した方がいいです・・・ってこんなことするの私だけか。帰宅してからつま先がちょっとヒリヒリしてました・・・。

完成!

17時27分(点火から3時間後)

何とか完成しました!やはり生のものがちょっと残っていますが、ヨシとします。日が落ちてよく見えません〜。

あと、焼きニンニクも完成しました。アルミホイルを開けてビックリ。黒にんにくになっていました。帰宅して、ものすごい疲労感がありましたが、キンキンに冷えたビールとこの黒にんにくでちょっと回復。

翌日、チェック

全部灰になってしまっていないかドキドキしながら畑に行くと、大丈夫でした!

この日は用事があったため、チェックだけで畑を後にしましたが、もう確実に冷めていくので、保管用に袋づめまでしてもOK。

今回は消火が夕方になってしまいましたが、午前中から作ってお昼ころには消火できるようにすると、消火したのをその日のうちに確認できてよいかもしれません。

市民菜園では絶対にできなかった念願のくん炭作りができて、農地が借りられて良かったなぁとまたまた思った経験でした。タイの研修で「くん炭はぜひ作ってください」と言われなかったら、作ろうと思わなかったと思います。

作ってみた感想としては、簡単にできるとはいえ、やはりそれなりに手間はかかるなと思いました。慣れてきたらもっと簡単に作れるようになるでしょうし、(まだ使ってみてないので分かりませんが)手間をかけてでも作るメリットが大きいと思うので、また作るつもりです。

もみ殻を追加でくださったのですぐにでも作りたいところですが、あまり連続でやるとさすがに近所に迷惑なので、ちょっと日を開けてからにします。このくん炭で、ガチガチの酸性土壌をフカフカにできるか、好奇心がうずいて楽しみです。

4.注意点など、まとめ

実際に作ってみて感じた注意点まとめです。

  • 点火時は、火が消えないように、多めに燃えるものを詰める
  • 煙がけっこう出るので、住宅が近くにある地域では避けたほうが良い
  • 慣れないうちは、強風が予想されるときは避けたほうがよい
  • 数時間はかかるので、お手洗いは済ませておく
  • 混ぜすぎると時間がかかる
  • 熱いくん炭が足先にかからないように注意
  • 消火は確実に。消火にも時間がかかるので時間に余裕を持った方がよい

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