【自然農】アドバイスをどう消化するか・・・「自分の中に毒を持て」
畑を借りた半年前は「農薬、化学肥料は使わないが、合理的な有機栽培をしたい」というように考えていました。
しかし、実際に栽培を始めてみるといろいろな事を考えるようになり、ビニールマルチを使わない、フン系の堆肥は入れない、水路の水を使わない・・・など、より厳しい栽培方法を取り入れている自分に気づきました。このスタイルは一般的にいう「自然栽培」という感じなのかなと思います。
畑で作業をしているといろいろな人が声をかけてくれます。熱中症に気をつけや〜というようなことだけでなく、踏み込んだアドバイスも結構もらいます。
・もっと効率的にやらないと
・除草剤を使うべき
・植える前にはその都度たっぷりと苦土石灰をまくこと
・水をたっぷりと与えないと育たない
という感じです。すべて仰るとおりと思うので、耳が痛いです。
非効率だし、除草剤や苦土石灰は使わないし、水やりも基本的にしていません。
今日は、農業指導員の人が通りがかり、私のやり方や圃場の様子を見たうえで、「まず4,5年は普通の農業をして、有機栽培はその後にやったら?」と言われました。「そうでないと、いろいろと初期投資したものが無駄になってしまうよ」ということでした。
私のためを思ってアドバイスしてくれているということがわかるので、自分の中でこのアドバイスをどう消化したらよいか分からず、泣きそうになってしまいました。
上の写真は夏の日照りの中、種まきの時も含めてまったく水やりをせずに育てたオクラです。とても元気。
今後、ハマキムシ等の被害があるかもしれませんが、仮に全滅しても、オクラ以外にもいろいろ育てているので致命的ではないです。今のところこんなに元気に育っているのに、害虫の被害があるかもしれないと考えて予防のために農薬を使うのは、やっぱり考えられません。もしこの畑からの収穫のみで生計を立てているなら話は別ですが、仮に農薬や除草剤を使うと、いくら安全と言われても、このオクラを食べることを躊躇してしまうし、土にしみこんですぐ先の川にまで流れていってしまうことを考えてもやっぱり使えない。
上の写真の右のうねは何も植えてなくて雑草だらけだから、こういうのが「手が回ってないんじゃないのか」と思われるのかもしれません。
まずは慣行栽培で5年程やったら?・・・って、その時間は無駄でしかないのでは?と反論したくなりましたが、黙って飲み込みました。農地は効率よく使わないといけないということは理解していて、新米農家の私は自然栽培ができるほどの技術が足りず、農地を効率よく使っているとは言えない状況の中、とても反論なんてできません。
でも、SDGsとか、持続可能性とかすごく言われている中、少しでも新米農家が有機栽培や自然栽培をすることの後押しがあってもいいのに、逆なんだな・・・と、心が重くなりました。
ここまで否定されると、自分のやっている自然農がまちがっているのかもしれないと思えてきたりして、気持ちがグラグラしてしまいました。
泣きながら初収穫したナスビ↓
と、そこへ、近くで自然農をしていていつも声をかけてくれるおじさんが通りがかり、話を聞いてくださって、なんとか気持ちを持ち直すことができました。
私が自然農をしたい理由は、細かく言うと1万文字くらい必要ですが、一言でいうと、それが一番きもちいいと思うからです。上のナスビも、薬の助けを借りずに自然のチカラで育ったナスビだと思うと、何とも美しいと感じます。
どうも私は迷いが多く、人の言うことに左右されて気持ちがグラグラしてしまいがちです。奇跡のリンゴの木村秋則さんの偉大さが改めて分かりました。
以前読んだ、岡本太郎著『自分の中に毒を持て』を思い出し、自分の中にグラグラしない信念を持ちたいと思います。
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