『2層のさつまいもミルクバター』を発売しました!!
ブログを始めて過去一、更新が滞ってしまいました。丸3ヶ月空いてしまいましたが、この3ヶ月、なかなか密度の濃い日々を送っていました。
前回のブログは年末でしたが、「来年はOEMをやっていきたい、小さな一歩をもう踏み出している」と書きました。それが今、形になり、3月下旬から販売を開始しています。
こちらの『2層のさつまいもミルクバター』です↓

「○○バター」とか「ミルクジャム」などは割とよく見かけますが、贅沢にもそれが1つの瓶に収まって2層になっている他にはない商品です。さつまいもはうちが栽培したシルクスイートを全量使用、その他にバターや生クリーム、蜂蜜等の「それ絶対美味しいやつやん!」という材料を使って、とってもおいしく作っていただきました。この商品を開発し、製造してくださった会社様には本当に感謝感謝です。
きっかけはシルクスイートの生理障害
加工品はまだ先と考えていた
ブログが滞ってたので、いきなり加工品の話って唐突感がありますよね・・・。
小規模の農業で収益を上げていくには、いまや加工品の販売が必須科目と言われます。私も元々お菓子作りや料理は好きということもあって、いつか自分で育てた野菜を使って何か美味しいものに加工して販売したいなと考えていましたが、まずは野菜をきっちり収穫できるようになってからだと考えていました。
当面は自分の手で作って販売してどういうものが売れるのか研究し、本格的に加工品に挑戦するのはそれからにしようと、とりあえずシェアキッチンで菓子製造業許可と飲食店営業許可を取りました。
シルクスイートに空洞化が
そんな折、収穫したシルクスイートに問題があることに気づきました。下の写真の通り、空洞化です。

シルクスイートは2024年は110kgほど収穫でき、試食するととても甘く美味しくできていたので、直売所で販売も始めていました。
しかし、少し虫食いがあるものを家で食べようと包丁を入れたら、中がスカスカに空洞化して部分的に変色しているものがありました。
あれ?これは、虫が中の方まで入ってしまったから空洞化してるのかな?とじっくり観察してみましたが、虫が中の方まで入った形跡はありません。ということは、空洞化は虫食いが原因ではなさそうです。たまたま虫くいがあったから自家消費用にしたけれども、もしかしたら他にも空洞化しているものがあるのかもしれない?
怖くなって、手当たり次第、シルクスイートを切ってみたら、やはり虫食いは無関係で空洞化しているものがあることが分かりました。
空洞化してるかどうかの判断は、持ってみて何となく軽いもの、上の写真の右の方のように、部分的にペコッと凹んでいるものが、空洞化率がかなり高いことが分かりましたが、中には、「これは大丈夫だろう」と思ったものでも切ってみると空洞化しているものがありました。
ということは、外からでは判断できない、切ってみて初めて空洞化が分かるということです。
うそやん・・・と絶望的な気持ちになりました。
ググってみた
解決策を求めてググってみたら、シルクスイートを栽培している農家さんであちこちで同様の事象が発生していることが分かりました。
2024年の夏はとんでもない酷暑、かつ、雨がほとんど降らない夏でしたので、それが原因で空洞化現象が起こっているのではないかという動画が色々出てきました。つまり、「高温と乾燥による生理障害だろう」ということです。
・さつまいもは水が要らないと思われがちだが、割と水が必要だ
・シルクスイートはそんなに暑さに強くないので、植え付けを5月中にして本格的な猛暑が来る前にしっかり根付かせておかないといけない
という感じの解説がありましたが、もう収穫してしまってる今、欲しい情報は空洞化してしまったシルクスイートを目の前にした解決策です。
・空洞化しているかどうかは、水につけてみると良い(沈めば空洞化してない)
・グッと両手で押して、凹めば空洞化してる、凹まなければ大丈夫
とりあえずやってみたら、水につけて沈んだものでも空洞化しているものがあったのと、非力な私なので(!)空洞化してても凹ませられない、・・・ということで、結局どうしたらいいか分からず。
ちなみに、空洞化したところが黒く変色しているものもありますが、匂いは無臭ですし、そこから腐敗していくわけではないので、基腐れ病ではなさそうです。
もうヤケクソになって手当たり次第切ってみた結果、5本に1本くらいの割合で空洞化が発生しているけれど、それ以外は空洞化しておらず、全く問題ないキレイなシルクスイートでした。
シルクスイートの販売をストップ
2024年に育てたさつまいもは、このシルクスイート、紅はるか、坂出金時、パープルスイートロードの4種類です。この空洞化が発生しているものは、シルクスイートだけでした。シルクスイートがダメだということではなく、2024年の大阪の天候と私の栽培方法にシルクスイートは合わなかったのだろうと思います。複数の品種を育てることがリスク分散になると実感しましたが、収穫したシルクスイート110kgどうすれば・・・全量廃棄??
ほぼ100%空洞化しているならば全量廃棄も仕方がないけれど、大半は何の問題もない美味しいシルクスイートなので、さすがに全量廃棄は泣くに泣けないです。
色々な人に相談し、切らないと中身が分からないのは他の野菜や果物でも時々発生する、スーパーや直売所でも一定のリスクを承知しているからそのまま売れば良い、とアドバイスをいただいたりしましたが、クレームが出てしまうことを考えると怖くて売れなくなってしまいました。すでに売ってしまったのもありましたが・・・。
悶々とする日々・・・そして近くの加工会社に問い合わせのメールを送りました。
加工会社さんに引き受けていただきました
切らないと中身が分からない=切れば分かる、ということで加工すれば良いのだけれど、自分でさつまいもチップスや芋けんぴを作るか、それとも「さつまいもバター」などの瓶詰めをするかを考えました。
どちらかというと瓶詰めをしたいところだけれど、瓶詰めって中心温度が何度以上で何分以上加熱とか、脱気を確実にするとか、調べて、練習して、検査に回して・・・などなど大変らしいし、それでも万が一のことがあったらと思うと自分でやるには結構怖いです。先日、コンフィチュールを製造販売している方にお話を伺う機会があったのですが、その方は色々なパターンで試作をして微生物検査に回して記録してというのを2年間繰り返し、これなら大丈夫という確信を得てから販売をスタートしたとおっしゃっていました。
私が菓子製造業許可をとっているシェアキッチンは瓶詰め加工もOKではありますが、自分で瓶詰め加工をするという選択肢は今回は除外し、加工会社さんに事情をお伝えして「さつまいもバターなどへの加工をお願いできないでしょうか」と問い合わせしました。社長さんから直々にお返事をいただき、お会いして詳しいお話を聞かせていただくことになりました。
お会いすることになったその日は超ド緊張、そう、あの農地を購入して水利組合の会長さん宅へ挨拶に伺った日と同じような感じ、いやあの水利組合への挨拶の日は夫も同席でしたが、今回は私一人だけなので尚更緊張です。
こんな零細個人事業主の農家を相手にしてもらえるだろうかと不安いっぱいでしたが、豪快な笑顔で引き受けてくださいました。
社長「さつまいもバターっていっぱい商品化されてるからなぁ・・・ミルクバタージャムみたいなんどうやろか、それ絶対美味しいと思うな、あ、でもそしたら2層になってしまうかな」
秘書さん(?)「あら、2層が可愛いんじゃないですか」
ということで、2層のミルクバタージャムへの加工をしていただくことになりました笑。こんな感じです!

上の層はさつまいもバター、下の層は生クリームや蜂蜜、練乳などを使ったミルクジャムです。
試作品が届いた時、段ボールを開けて初めてみた瞬間、可愛さに感激、そして食べてみて美味しくてまた感激しました。
面談が11月末、試作品ができてきたのが年明け、本製造が3月。賞味期限が1年なので、納品後速やかに販売できるように色々と準備を進め、何とか3月末から販売を開始しました。初めての加工品販売は準備することが多すぎ、1月、2月、3月があっという間でした。
私はこのような感じで初めてのOEMをすることになりましたが、本来はもっと戦略的にすべきものですし、色々とやらかしてしまったこともありました。
「JANコードは取得しますか?」と聞かれて、おぉ、診断士試験で勉強したやつや!と思いましたが、取得した方がいいのかどうかさっぱり分からず、素朴に「それってお金かかるんですか・・・?」って質問したり、とにかくいろいろ恥ずかしい思いをしながらものすごく勉強になった3ヶ月でした。またおいおい書いていきますのでお楽しみに笑
ここで販売してますので、ぜひよろしくお願いします!!
まずは、ホームグラウンド?のハーベストの丘の直売所「またきて菜」に置かせてもらいました。

その他、また手続き中のところもあるのですが、このブログを書いている現時点で販売開始しているのは以下のところです。
・旬の駅 ならやま本店、大和郡山店、イオン鴻池店、ららぽーと門真店、京都店
・ネットショップ https://narinarifarm.base.shop
パン作りが趣味(プロ並み)の夫の友人が5つも購入してくれて、ハード系のゴマのパンにとても合うということでした。
今後、マルシェなどにも参加して試食販売をさせてもらおうかなと思っています。ぜひ見かけたらお手に取ってみてくださいね。
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