【敗北感】インボイス、結局登録しました・・・

2023年9月29日

前回のブログで、「次回は手押し耕運機について書く」と予告していましたが、一つ挟ませてください。インボイスについてです。

過去のブログで、インボイスの申請は様子見するとしていましたが、結局登録申請しました。

登録を決めた理由

ある天ぷら屋さんにて

今年7月頃、個人で経営されている小さな天ぷら屋さんに食べにいきました。美味しい揚げたての天ぷらをお腹いっぱいになるまで食べさせてくれるのに良心的な価格なので、予約が取りにくい人気のお店です。

お会計の時、店主が「うちはインボイスの登録をしていますので、また接待などでも気兼ねなく使ってください」とおっしゃっていました。

そうか・・・こんな人気店でもインボイスの登録をしないと今後使ってもらえなくなる可能性があるのか・・・インボイス制度恐るべしと、この時初めてリアルに認識しました。

仲間外れになるのが怖い

私の場合は、現時点では個人宛に直接販売することがほとんどです。よって、納品先の事業者から登録するよう圧力がかかるとか、登録しないと取引から排除されるいうようなことはありませんので、差し迫って登録する必要はありません。

ではなぜ登録したか・・・。一言で言うなら「仲間外れになるのが怖い」というところでしょうか。

最近、「Tから始まる番号を登録してください」と合言葉のように飛び交っています。今後、番号を持っていないと信用されなくなるんじゃないか、世の中の取引から排除されるんじゃないかという怖さがあります。番号を持っている人=消費税を払っている人、番号を持っていない人=消費税を払っていない人とレッテルを貼られて、登録していないことで肩身が狭くなるんじゃないか、商売にとってとても重要な「信用」を得られないんじゃないかと不安を感じるようになりました。

10月1日からの運用開始に向けていろいろな情報が飛び交い、「免税事業者は消費税をお客さんからもらっておきながら納税せずに自分の懐に入れている」というようなことを言ってる人もいます。免税事業者だから安く販売できるというメリットがあるにも関わらず、このような誤った声が広まっているために、マルシェ等で販売時に「免税事業者ならもっと安くしてよ」とか「消費税とったらあかんで」とか言われるかもという怖さもあります。

このまま免税事業者でいて、その利点をフルに活かすということも考えました。マルシェ等で「免税店」とデカデカと看板出して安いアピールをして売るのもアリかもとか。いやあんまり安売りのイメージで売るのはよくないかな・・・そもそも免税事業者という制度自体、遅かれ早かれ無くしにかかってくるだろうしな・・・

このようなことを考えすぎてよく分からなくなってきたので、総合的に考えて、ええい、もう思い切って登録してしまおうではないかと、半ばヤケクソで登録を決めました。

とはいえ、直前までかなり迷いました

国税庁のe-Taxから申請しましたが、最後のボタンを押すまで、本当にいいのかと迷いました。普段は一度決めたらそんなに迷うことがないんですが、ちょっと一旦落ち着こう、明日改めてしよう、と珍しく最後の最後まで迷いました。

迷った理由は、消費税を納める前提での値付けをしないといけなくなるので値段を高くしないといけない(売れにくくなる)ということや、帳簿の付け方分かるかなという事務負担への不安が挙げられますが、最大の理由は、消費税申告にかかる税理士報酬です。

私は農業所得とは全く関係ないところでややこしい申告案件があり、前回の確定申告は長年親族でお世話になっている税理士さんにお願いしました。今後の確定申告もややこしい案件があるのでお願いしようと考えているのですが・・・お支払いする報酬が結構高いんです(泣)

「青色申告一本で ○万円」という計算なのですが、それに加えて今後は「消費税の申告報酬 ○万円」が乗ってくるので、合計したらなかなかのお値段になるのです・・・。

なので、税理士さんに「所得税の申告だけ先生にお願いして、消費税の申告は自力でやるというのはアリですか?」と聞いてみました。お返事は「事例がないですが、どうしてもということなら何か方法を考えてみますが・・・」とのこと。前代未聞の不躾な質問に先生を困惑させてしまったようです・・・恥ずかしすぎる・・・。所得税の申告と消費税の申告のつながりがまだ全くイメージアップできてなくて・・・。

ちなみに、簡易課税で申告する場合は税理士報酬は少し安いようですが、私は本則課税でやろうと思っています。とはいえ、消費税申告をやったことがないので、まだ事務のイメージが全く湧いていませんけど・・・

日々の帳簿付をクラウド会計のfreeeでやり(もちろん有料プラン)、加えて税理士報酬。う〜ん・・・大根何本売れば払える??笑 今後やり方を抜本的に見直した方がいいかもしれませんが、とりあえず、これを余裕で支払えるくらい、しっかり稼がねばと思っています。

メリットもある

仕入税額控除をしっかり活用

課税事業者となれば、仕入税額控除が使えるようになります。これを見越して、10月に入ってからの納車で軽トラを購入しました。このために簡易課税じゃなく、本則課税でやろうと考えています。

このあたりの話は、場合によって異なったり、見解の相違があったり、資格のない私が詳しく書いてはいけないと思うので、この程度の記載にしておきます。詳しくは皆様ご自身の顧問税理士にお尋ねくださいませ。

信用につながる(かも)

現在進行中、かつ未確定なことなので今はまだブログには書けないのですが、うちの農園は、今、大きな転換期にあります。

うまくいけば、可能性が大きく広がることになりそうです。そういう状況なので、インボイスの登録をしていないことで信用を得られず、チャンスを失ってしまうようなことは避けたいとも考えました。

逆にいうと、インボイスの登録をしていることで「ちゃんとしてる」と見てもらえることもあると思います。

私のような小さい農家は「暇つぶし程度に適当にお遊びでやってるんでしょ」と見られがちです。今後、売ってみたいところとか妄想がいろいろあるのですが、そういうチャンスに遭遇した場合でもインボイスを登録していることで「ちゃんとしてるんです」というアピールになるかなと思っています。

将来的には輸出を考えたい

あと数日で10月でインボイス制度が始まるという今ここへ来て、「インボイス制度反対」とか「ストップ!インボイス」という声を耳にすることが多くなりました。こんな直前になって何言ってるの、今ストップしたらそれこそ大混乱では?とちょっとびっくりしています。声を上げるならもっと早く上げてほしかったと思いましたが、冷静に考えると、一番非難されるべきはなんら抵抗することなく、なんとなく空気に流されてインボイスを登録した私だと思いました。

インボイス制度が始まったら、消費税15%という観測気球が経団連から出されたりしているので、そう遠くない将来、消費税も上げてくると思います。

なんかもう、世の中がおかしな方向に流れていっています。しかも急激に。

思い出すのは、高校の時の世界史の先生の話です。フランス革命の授業の中で、「時代の流れに反する者は、歴史の上では必ず滅びる」とおっしゃっていて、高校生の私は「ふーん、時代の流れに乗るのが大事なんやな」と覚えていました。しかし、世の中が急激に悪化している感触がある今、「時代の流れに乗っていると、そのまま滅びてしまうかもなぁ」とぼんやり考えたりします。

いや、滅びたらいかんいかん、まだまだ農業やりたいし!時代の流れに反しなくとも、私にもできることはあるはず!

世の中を変えてやるぞというような大きなことは私にはできません。でも自分や大切な人、お世話になった人を守るために頭を使って考えるくらいはできます。

消費税UP、そして国力が落ちていくことによる円安。これに対抗する解決策は、ズバリ、輸出でしょう。

・・・って大風呂敷広げてみましたが、千里の道も一歩から。まだまだ先のことになりますが、将来的には自分の作ったものを輸出するということも視野に入れて、いろいろ勉強しながら日々頑張って野菜を育てていきたいと思います。

では、次回こそ「手押し耕運機」の話をさせていただきます。最後までお読みいただきありがとうございました。

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