家庭菜園をするうえで大変なこと、しんどいこと
私は家庭菜園を始めて6年になりますが、辞めたいと思ったことは今のところありません。でも、正直なところ「しんどい」と思ったことはあります。年齢や性別によって何が大変かは違ってくると思いますが、家庭菜園を始めようと考えている方は参考にしていただければ嬉しいです(私は40代女性です)。
なお、大変なこと、しんどいことよりもメリットの方が大きいので、私はこれからも特段の事情がなければ家庭菜園を続けていくつもりです。
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家庭菜園のメリットとオススメする理由
<目次>
1.最初はお金がかかる
私が借りている市民菜園でもそうですが、最近の貸し農園は割とクワ、スコップ、移植ゴテ、ジョウロ、バケツなどの道具が揃っていることが多いです。でも、他にも次のようなものが必要です。
- 長靴・手袋・帽子・日焼け止めなどの畑仕事に適した服装
- 堆肥・肥料・石灰などの土壌資材
- 支柱・トンネル・マルチ・虫除けネット・籾殻・麻紐などの資材
- タネや苗、種芋
- 園芸用ハサミ、カマ
- 収穫用カゴ
- 水筒 など
もちろん、借りる農園によっては、肥料や堆肥も備え付けのところもあるかと思いますし、収穫用のカゴや手袋なんかは100円ショップのもので事足ります。でも、これだけのものを買うと気がつけばそれなりに出費になります。
また、安いものを買ってしまうと結局すぐにダメになってしまうものもあります。例えば、長靴※は粗末なものですとすぐに底のところから水が入ってきますし、支柱もしっかりしたものでないとすぐにグニャっと曲がってしまいます。園芸用のハサミも頻繁に使うので、自分の手に会わないものを適当に選んでしまうと今後の作業が非効率になります。最初からしっかりしたものを買っておいた方が結局お得とは言え、初期投資はそれなりにかかるのが痛いところです。
※長靴は、私が週末農業学校に通っていたときに日本野鳥の会のものが丈夫で使いやすいと教えてもらい、一度買い直しましたがずっとそれを使っています。確かに丈夫で使いやすい上にオシャレでもあり、オススメです。5000円弱くらいです。(NHK「趣味の園芸」の三上真史さんが同じものを履いていました!)
また、個人的には、酸度計、三角ホー、小さい熊手は必須アイテムです。詳しくは以下の記事に記載しております。
家庭菜園の「土づくり」、私のやり方
2.夏の暑さ
家庭菜園を始めてまだ6年目ですが、この6年の間でも年々夏の暑さが過酷になってきています。
参考:【気象庁ホームページ】大雨や猛暑日など(極端現象)のこれまでの変化(プルダウンより「最高気温30度以上の年間日数」「最高気温35度以上の年間日数」を選択してご覧ください。)
畑での気温は40度は軽く超えています。そんな中で、基本的な作業として次のようなものがあります。
- 水やり
- 除草
- 収穫
- 脇芽とり
- 追肥
水やりはホースリールの使用が許可されている菜園なら良いのですが私が借りているところは禁止なので、ジョウロで水やりをします。水道との行ったり来たりだけで尋常じゃない汗をかきます。夏場の日照りの元、ジョウロで水やりをやってもまさに「焼け石に水」状態で何度も水道との間を往復します。ダイエット!と頭の中で掛け声をかけていますが、そんな頭の中も暑さでだんだんと意識朦朧としてきます。
そして、除草。これは言わずもがなですが、雑草はビックリする勢いで成長しますのでこまめに除草しないとあっという間に野菜が埋もれます。周りの人に迷惑をかけないように、しっかり除草しないといけませんが、私は特に週末にしかいけないということもあって追いつきません。「いつもスミマセン」と謝ってばかりですが、日頃から周囲の方と人間関係を作っておく努力も欠かせません。
これはゴボウを撮った写真なのですが、奥のネットで囲った中をご覧ください。このネットの中は南瓜とスイカを育てていました。ネットで囲うとどうしても除草がやりにくくて後回しにしていたら、もう雑草が伸び放題で手が付けられない状態になってしまいました。
収穫も夏は物凄い量になります。嬉しいと言えば嬉しいのですが、収穫作業だけで時間がかかります。また、夏は全てのものが成長が早いので、脇芽を取ったり、混み合った枝を伐採したりする作業も毎週必ず必要です。
これは食用ホオズキですが、ちょっと油断したスキにもう手が付けられない状態になりました・・・。
「夏は日の出とともに畑に行き、日中はお昼寝する」という人も多いですが、うちはなかなか日の出とともに行くことは難しいので、周りの人が帰る9時頃に作業を開始したりしますが、真夏は30分程の作業が限度です。30分作業しては20分日陰で休憩を3クールくらいやればもうクタクタです。3歩進んで2歩下がる状態でなかなか進みませんが、最近の夏の暑さは異常で、休憩を取らずに頑張って作業すると命の危険があります。そして真夏だけでなく、5月頃からもうすでに暑く、11月まで暑いです。一方で、汗をかきながら作業していた次の週にはマフラーが必要なくらい寒かったりで気候がめちゃくちゃだなぁと感じます。まぁでも寒さに関しては着込めば命の危険を感じることはありませんが、夏場は本当に危険な暑さですので、夏は正直「しんどいな」と思います。
畑での作業が終われば帰宅するわけですが、運転は夫がやってくれて助かっているものの、クタクタの中での運転は申し訳ないなと思います。徒歩で通っている人は歩く後ろ姿が本当にしんどそうで大丈夫かなと心配になります。
そして帰宅後は、大量の洗濯物が私を待っています。さらに季節が進んで秋頃、日焼けによるお肌のダメージが・・・ホワイトニング化粧品にもお金がかかります。
3.畝立て・ネット張り
畝立てとネット張りはどちらも重労働です。
畝立てができる耕運機を使えば楽にできるのでしょうけど周りに持っている人がいないので人力で畝立てをします。畝立てまでの機能はないけど普通の耕運機を持っているおじさんがいて、そのおじさんに耕運機はよく貸してもらっています。耕運機で土がフカフカになれば畝立てもかなりやりやすくなります。おじさんがいない時は、耕すところから人力でやるのでその場合は結構な重労働です。この畝立て、土が盛り上がりさえすれば良いと思うところですが、「美しい畝」を作るとマルチもピシッと張れますし、その後数ヶ月間の野菜作りのモチベーションも上がります。「美しい畝」を作る人の区画は野菜もきれいに育っているように思います(思い込みではないはず!)。
この写真は玉ねぎを育てている畝です。美しい畝を作り、マルチもビシッと張れるとモチベーションも上がりますが、これがなかなか難しくて大変です。
ネット張りも大変です。木枯し、春一番、台風、と畑は強風に晒されることが多く、強風でも倒れないように頑丈な支柱をまずは打ち込んで、そこからネットを張っていきます。また、ネットがたわんでいたりすると野菜の成長によくないので、ピンと張ることが大事です。
この写真は夫がエンドウのために張ったネットですが、この写真の時点ではネットだけなので風も抜けていくので大丈夫ですが、これだけだと強度が弱いです。ツルが伸びて葉っぱがネットを覆うようになると風をまともにくらうので、倒れてしまう可能性があります。つっかえ等でもっと強度を高めないといけません。
畝立てとネット張りに関しては大変ではあるけれども美しく出来上がると達成感があり、割と好きな作業だという人も多いと思います。夫はネット張りが割と好きみたいです。よって、これは当記事に入れるか迷いましたが、とりあえず入れておきました。
4.資材が重い
石灰、10kg
ぼかし肥、20kg
堆肥、40ℓ(おそらく20kgくらい)
10kgならお米と同じ重さなので大丈夫ですが、20kgとなるとどちらかというとインドア系の私には持ち上げられないです。高齢の女性で車から一人で降ろして台車に乗せて持ってきている人がいますので絶対むりという訳ではありませんが、ちょっとしんどいです。小さいサイズのも売っていますが、選択肢は少なくなりますし、割高です。今のところは夫が運んでくれるので助かっていますが、夫の腰痛が悪化したら、堆肥やぼかし肥は全面的に畑で作ることを本格的に考えたいと思います。(堆肥は今も畑で作っていますが、足りないので市販のものを合わせて使っています。)
※2021/04/06追記
昨今、堆肥を買ってきて畑に入れるよりも、微生物資材を使って畑で直接堆肥を作るというやり方が多くなってきているように思います。私も最近このやり方に切り替えました。私が最近使ったのは下の写真のもので、1反(1000平米)でわずか600グラムでOKでした。別途米ぬか50キロを用意して一緒にすき込みましたが、いろいろやり方はあるのかなと思います。
農機具メーカーの営業マンから購入しました。最近使ったばかりですので効果は今は分かりません。
このラクトバチルスを営業マンから紹介されなければ、カルスNC-Rを使おうと思っていました。重くてかさ張る堆肥を外から持ち込んだり畑の端っこで作ったりせずに済むので、これからは微生物資材を積極的に活用しようと思います。
5.虫・ケモノ
私が借りているのは大阪の堺市でそこまで田舎ではありませんが、それでも獣害が頻繁にあります。
小玉スイカは無防備だと100%、確実にやられます。周囲の人の話によると、ハクビシンかタヌキだそうですが、まだ現場を押さえたことはありません。
トウモロコシも無防備だと確実にやられます。食べ方がきれいで関心します。
「来週収穫しよう」と思ってワクワクして翌週畑に行くとやられているということが何度もありました。ここまで育てたのに・・・と悲しくなります。
それと、うちは今のところ被害はありませんが、最近はいわゆる「頭の黒いケモノ」による被害も増えているようです。つまり人間による窃盗です。まだ本当のケモノならしょうがないと割り切れますが、人間による窃盗は情けないですね。
また、私はクモが本当に苦手で、正直クモが多い夏から秋は畑に行くのがあまり気がすすみません。虫嫌いの人はそれが一番の懸念点かもしれませんが、これに関して次の記事をご参考にしていただければ幸いです。
6.消費が大変(おまけ)
これは大変なことだけれども嬉しい悲鳴なので「おまけ」です。
食べきれないくらいのたくさんの野菜が採れるので、消費が追いつかない時があります。野菜室にも入りきらないので出しっぱなしにしていて、そのまま一週間経ってまた収穫物が増えて、玄関に置きっぱなしということもありました。最近はどうすれば消費や長期保存ができるかもだんだん分かってきましたし、そもそも消費が追いつかないような作付け計画を立てないようにもしています。これはまた別記事にて書く予定です。
いかがでしたか?
大変なことはあるけれども家庭菜園をすることによるメリットの方が大きいので、私はこれからも続けるつもりです。私の周りでも一度家庭菜園を始めた人は長く続けている人が多いです。私も今は夫婦でやっていますが、元々は私一人で始めたもので、夫は送り迎え担当でしたが「ミイラとりがミイラになった」と言って今ではすっかりハマっています。迷っている方にはぜひオススメしたいです。
(ただし、仕事として農業を始めた人は辞めている人も多いです。私も有機農家さんのところにお手伝いに行ったりしていますが、プロとアマにはそれはそれは大きな違いがあることを最後に書き添えておきます。)
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