家庭菜園の「土づくり」、私のやり方

2021年1月23日

■当サイトでの一番のアクセスは「土作り」

当サイトで一番アクセスがあるのが、ブログを初めて一番最初に投稿した「土作り」の投稿です。
ものすごく簡単なことしか書いていなかったので、訪れてくれた方には申し訳なかったと反省しています。

「土作り」は今でもまだまだ試行錯誤中なのですが、現時点での考えを投稿したいと思います。

引き続き勉強が必要な事項だと認識していますので、今後も勉強して随時追記していきます。

■前提:私の農法について

野菜づくりには、「慣行農法」「有機栽培」「自然栽培」等がありますが、私は「有機栽培」を行っています。

農薬や化学肥料を使う「慣行農法」は、人口増に対応し、安定的に食糧を供給するには必要なものと思いますが、私はそもそもアリス・ウォータースさんの考えに共感して家庭菜園を始めましたし、儲けを前提とせず、大切な人のために野菜を育てる小規模な家庭菜園では、農薬や化学肥料を使用しない栽培方法が最も最適であると考えています。

話は逸れますが、フランスでは2022年に家庭菜園での農薬の使用が禁止になるという情報を見かけました。(以下を参考にしました。公的な情報が見つけられず申し訳ありません。また見つけ次第、追記します。)

情報源:

日本では、ホームセンターに行けば農薬がズラりと並んでいますが・・・そんなに売れるものなんでしょうか???素朴な疑問です。

 

本当は、耕さず、肥料も入れない「自然栽培」がやりたいのですが、現在借りている土地は市民菜園で除草しないと周りの迷惑になりますし、契約は2年で同じ場所を借りられることはまずないので、じっくりと土を育てて初めて実現する「自然栽培」は事実上無理、というわけで、「有機栽培」が私のスタイルです。

※補足

私の前にその菜園を使っていた人が化成肥料や農薬を使用していたことも当然あるでしょうから、厳密には「有機栽培」とは言えないというのは承知しています。少なくとも、私が使用している間は、農薬、化学肥料は一切使わないようにしているという意味で「有機栽培」という表現をしています。

■これまで学んだ「土作り」から、共通点

私がこれまでに学んだ研修、書籍、有機農家さんの話等から、有機栽培、自然栽培の土づくりには次の共通点がありました。

  • 土は微生物が作る
    • だから本来は「土づくり」とは言わず、「土を育てる」という
    • 生えている雑草などで土の状態をよく見極めて、微生物のエサとして有機物を投入する。完熟していないものや入れすぎは腐敗の元になるので厳禁
    • 雑草は育てている野菜が草に負けない程度に刈り、根元から抜かない
    • 深く耕すと微生物が死んでしまうので、耕さないか、表面の硬くなった土のみを耕す(耕すのは植物の根っこがやってくれる)
    • 籾殻くん炭は、通気性を良くして微生物の住処になり、酸性に傾いた土を中和することにも役立つので、非常に良い資材である。作るのも簡単。
タイ・バンコク郊外におけるオーガニック農園にて。
写真のロータリーで表面20センチほどしか耕さないということでした。

要は、全てが微生物のため、ですね!

ところで、ある有機農家さんが、「耕運機よりもハンマーナイフモアが必需品」と話されていました。「ハンマーナイフモアは刈った草を細かく粉砕してくれる、そのまま圃場に敷き詰めるようにしておけば自然のマルチになる、微生物の住処にもなる、粉砕した草は堆肥作りの際にも早く完熟するし、とても便利」とのことでした。
また、「微生物が死んでしまうから、畝は一度作ったら基本的にそのままずっと使って、耕し直さない、重労働の畝立てはほとんどしない」とも話されていました。
この方は女性の有機農家さんですが、知恵と行動力があり、本当に尊敬しました。

前置きが長くなりましたが、これらの知識を踏まえて、たった50平米ほどの2年しか使えない菜園でどのように土作りをするか、現時点での結論が次の通りです

■結論:私のやり方

  1. 絶対に、農薬、化学肥料は使わない
    • これは私が野菜づくりをする上でのポリシーです
    • 私の周りの家庭菜園をしている人は「農薬は使わないけど化成肥料は使う」もしくは「農薬は使わず堆肥も有機質のを使っているけど肥料は化成肥料を使う」という人が多いです。化成肥料は「888」が使いやすいと聞きます
    • 正直、私も何度か誘惑に負けそうになったことがあります・・・珍しく夫にたしなめられ、「いかん、いかん」と正気に戻りました
    • なお、自宅でレタスなどの水耕栽培をする際は、市販のハイポネックス等の液肥は使います
  2. 完熟した有機資材を投入
    • じゃあどのようなものを使っているかというと、堆肥は菜園の隅っこで作ってはいますが、完熟するまでには時間がかかって量が足らないので、市販の堆肥を使います。もう少し多く作れるように対策を考え中です。肥料も自分でボカシ肥を作ればいいのですが、手間を省いて市販のボカシ肥を使っています。
      (下の『これならできる!自然菜園』の書籍には、「市販の堆肥やボカシ肥は未熟なものが多いので完熟テストが必要」と書かれていますが、省略しています。もちろん本来はやった方が良いと思います)
    • 市民菜園では前の使用者の肥料が残っていることが多いので、少なめに投入して様子を見るようにしています
    • 必ず酸度計でPhを測って、酸性が強い時の酸度調整には、お財布がピンチの時は「苦土石灰」を、余裕がある時は「カキガラ石灰」を使っています(こんな基準でスミマセン・・・)石灰は入れすぎるとどうにもできないので、ちょっと少ないかなという程度に入れるようにしています
    • せっかくタイのオーガニック農園で「籾殻くん炭の作り方を教えてもらいましたが、流石に市民菜園で火を使うことはできないので、安く手に入った時のみ「籾殻くん炭」を入れています
  3. 耕運機で耕す
    • 本当は耕さない方法でやりたいのですが、2年では土が育ちきらないので、普通に耕します。いつも色んなことを教えてくれる市民菜園のヌシみたいな親切なおじさんが耕運機を貸してくださるので、ありがたく使わせてもらっています 
  4. 中耕をしっかりする
    • 同じ市民菜園でマルチを一切使わずに上手に育てている区画があり、観察してみると、土寄せと中耕をしっかりされていて、見るからに土に通気性がある様子でした
      私もそれを見習って、マルチをしないところは、三角ホー小さい熊手を使って土の表面をほぐす「中耕」をしっかりするようにしています
      (マルチはゴミになるから本当は使いたくないところですが、私は週末しか畑に行けず、除草をしないといけない市民菜園ではどうしても乾燥して水切れを起こしてしまうので、現在はマルチを使っています。今後、できるだけ使わないように練習していきたいと考えています)
  5. ムギやマメを育てる
    • 下の書籍を参考にし、イネ科やマメ科を積極的にを育てています
    • イネ科としては、「もち麦」をここ2年は育てています。見た目も可愛いし、草マルチにも使えてとても便利です。ダイエットに使えるという目論見もあり。
    • ただ、もち麦は「オオムギ」で、この書籍によると、根っこが深くはるのは「ライムギ→コムギ→オオムギ」の順。よって、今年はライムギを育ててみようと思います

※私が実際に使っている酸度計はこちらです。2015年にアマゾンで購入して以来ずっと使っていますがいまのところ壊れていません。4000円弱と決して安くはないですが、これは買って良かったと思います。電池も要らないのでとても便利です。↓

小さい熊手。とっても便利!

(引用)

イネ科は細かな根が深くまで張り、土を深くまで耕してくれます。マメ科の緑肥作物は、根粒菌が根につき、空気中のチッソを固定し土をこやします(7ページから抜粋)

ムギの種類には、大きく分けて冬麦と呼ばれるオオムギ、コムギ、ライムギ、夏麦と呼ばれるエンバクがあります。緑肥作物には、エンバク、ライムギが適しています。(164ページから抜粋)

引用元:竹内孝功著『これならできる!自然菜園』
竹内孝功著
『これならできる!自然菜園』

大体こんなところですが、市民菜園なのでやはり思い描く理想の通りには使えないのが現実なのです・・・。2年経っても返さなくていい自分の畑が欲しいとつくづく思います。

これを書きながら思い出しましたが、野菜作りを始めた頃に以下の本を読んで、この本の中で語られている三種の神器「酸度計、ECメーター、水分計」をちゃんと理解しないままに勢いで買い揃えたのを思い出しました。
酸度計は今でもちゃんと使っていますが、ECメーターと水分計は使い方がよく分からなかったので、ほとんど新品のまま放置されています・・・もったいない。
でも、改めてパラパラとページをめくってみると、以前はチンプンカンプンだったのが理解できるようになっているので、もう一度ちゃんと読み直して、より良い野菜作りを追求していきたいと思います。

手島奈緒著
『儲かる「西出式」農法』

<おまけ>

土にとって良いものを植えることも考えつつ、片付けコンサルタントの「こんまり」さんじゃないですが、菜園でも「ときめき」を大事にしたい!
もち麦と一緒に色とりどりのアネモネも植えて、楽しみました。

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