虫が苦手な私が家庭菜園を続けていられる理由

2021年1月18日

家庭菜園を始めたいけれど、虫が苦手で・・・と躊躇している方は多いのではないのでしょうか?
私は家庭菜園を始めて6年になりますが、私もかなりの虫嫌いなので、家庭菜園を始めてもすぐに辞めてしまうのではないかと二の足を踏んでいました。でも6年経った今でも家庭菜園をやって良かったなあと思います。もし、虫が苦手だからという理由で躊躇している方は、この記事を参考にしていただければうれしいです。

<目次>

  1. 理由1:メリットの方が大きい
  2. 理由2:基本的に素手で触らない
  3. 対策1:服装や時間帯に気を付ける
  4. 対策2:育てる作物・季節を選ぶ
  5. 対策3:防虫ネットや自然農薬・コンパニオンプランツ・益虫を使う
  6. 対策4:肥料を入れすぎず、健康な野菜を育てる
  7. 対策5:水道のある菜園を借りる
  8. 最後に:虫を侮ってはいけない、破傷風ワクチンについて

1.理由1:メリットの方が大きい

虫が苦手でも家庭菜園が続けていられる理由で一番大きいのは、虫が苦手でも家庭菜園をするメリットの方が大きいからです。

私は虫が嫌い、中でもクモが本当にダメです。かつて、農業の学校に通っていたのでたくさんの農に携わる方とお話ししてきましたが「虫?最初は苦手だったけどいつの間にか慣れた」という方が多くいました。私のクモ嫌いもそのうち治るかもと期待しましたが、クモだけは今でもどうしても、どうしてもダメです。土の上をウロチョロしているツチグモは比較的大丈夫ですが、巣を張っているクモは本当にダメ。治そうと努力もしましたが、ダメでした。女郎クモが大きくなる夏から秋にかけては辛い季節です。(「女郎クモ」という字面を見るものちょっと嫌です。)

それでも、家庭菜園で得られる次のようなメリットの方が大きいので、虫が嫌いだから辞めようと思ったことはありません。

<メリット>

  • 野菜作りは奥が深くて知的好奇心が尽きない
  • 自分で育てる野菜は安心して食べられる
  • コロナ禍でも正々堂々と続けられる
  • 食糧危機に備えられる
  • 持続可能な社会づくりに貢献できる
  • 体力がつく       

等々です。

2.理由2:基本的に素手で触らない

畑で作業するときは必ず手袋をしているので、実際に虫に素手で触ることはほとんどないです。素手じゃなければ抵抗感はかなり少なくなります。(私はクモは手袋をしていても無理ですが。)

これはオクラについたハマキムシ。その名の通り、葉っぱに巻きついています。これは葉っぱごと取り除きます。

 

モロヘイヤにつくバッタ

これはモロヘイヤの葉っぱを食べるバッタ。バッタは大丈夫ですよね??

 

これは大根の葉っぱについた青虫。お箸でつまんでとると良いかもしれませんが気持ち悪いので、ちょっとやりにくいですが私は移植ゴテ(小さいスコップ)で取ります。

これは2020年秋の写真ですが、この年は暑い秋だったせいか異様に虫が多くて、大根の葉っぱがボロボロになってしまいました。

 

ダイコンハムシ

こちらも大根の葉っぱ。ダイコンハムシです。これは手袋をした手で取ります。

どうでしょうか?まぁいくら素手で触らないとは言っても気持ち悪さはゼロにはなりませんが、結構大丈夫ではないでしょうか?

クモに関しては、ホウキやクワなどで息を止めて冷や汗かきながら落としてます・・・。夫の様子を見て機嫌が良さそうならやっつけてくれるようお願いすることもあります。クモは益虫だから駆除しない方が良いと言いますが、こればっかりはしょうがないです。クモを駆除する薬剤は市販されていますが、薬剤は使わないというポリシーを掲げているので、誰か、クモを楽に駆除できる空気銃みたいなものを発明してくれないかなぁと思っております。

ここには挙げませんでしたが、アブラムシがビッシリついたようなものは見るだけで気持ち悪いので、そういうものは薄目か半目で見ると大丈夫(どんなアドバイスや・・・)。でもアブラムシはやっぱり嫌なので、そもそもアブラムシがつかないような対策をとっています(以下の「対策2〜4」に記載)。

3.対策1:服装や時間帯に気を付ける

「野菜につく虫というより畑って蚊が多いのがイヤ」という人もいるかと思います。しかし、畑での服装は、真夏でも長袖・長ズボン・長靴・手袋で、肌を露出するのは顔くらい、夏場は腰にぶら下げるタイプの蚊取り線香も付けているので、畑で蚊に刺されたということは今のところありません。

虫除けネットつきの帽子をかぶっている人も多く、顔も防除できます。私も買おうと思いながらまだ買ってませんが、あれば便利だろうなと思います。

畑には、ハチやアブもいますし、湿疹を引き起こす蛾、マムシもいます。虫が嫌いだから云々ではなく、身を守るため、肌を露出するのはそもそも避けた方が良いです。

夕方は蚊が増えて来るので、苦手な方は午前中にいくと良いです。

4.対策2:育てる作物・季節を選ぶ

どうしても葉物は虫がつきやすいです。
前述の大根の葉っぱの例の他には、あくまで一例ですが、次のようなものもあります。

  • キャベツや白菜にアオムシ
  • 玉レタスや白菜にはナメクジ
  • カブラの葉っぱや小松菜はアブラムシ

等です。レタスや白菜は、収穫した後、外からは見えなくても葉をめくったところにナメクジがいたりします。家に帰って台所で「ギャー!」ってなるの、いやですよね?そういう方にオススメするのは「こういうのはスーパーで買うから自分では育てない」ということです。私も葉物はスーパーで買うことが多いです。(こういうところが当サイトのサブタイトル「“できるだけ”オーガニックに」の由縁です。)

アブラムシは、私の経験上、大阪では春になって気温が高くなってきた5月下旬頃からつき始めるように思います。だから、冬が終わった3月〜5月中旬頃というのはアブラムシがつきにくく、葉物を育てるには一番育てやすいです。普段、アブラムシがつきやすい野菜はこの季節を狙って短期決戦で育てるというのがオススメです。

※関連ページ
(完全無農薬で育てていますがアブラムシはもちろん、他の虫も全くついていません)
「あまうま小かぶ あやめ雪」を育ててみた
「西洋赤大根を育ててみた」

他に代表的な虫の例は次のようなものがあります。苦手な方は「スーパーで買う!」と割り切っても良いと思います。

  • 枝豆にはカメムシ(臭いやつ)
  • ピーマンにはホオズキカメムシ(5角形の大きめのやつ)
  • とうもろこしにはアワノメイガ
  • サトイモの葉っぱにはキスジノミハムシ
  • ソラマメの枝の一番先端にはアブラムシ
  • ニンジンの葉っぱにはアゲハの幼虫

逆に虫がつきにくい葉物は次のようなものがあります。ご参考に・・・。

  • モロヘイヤ(バッタはつきます)
  • ホウレンソウ(これは育てるのが難しいです)
  • オカヒジキ
  • リーフレタス

5.対策3:防虫ネットや自然農薬・コンパニオンプランツ・益虫を使う

防虫ネットでトンネルを作ると、かなり効果があります

これは水菜とみぶな。どちらも秋のまだまだ気温が高い時に植え付けするので虫がつきやすいですが、防虫ネットのトンネルでとてもきれいな状態で収穫できました。

 

これは白菜です。トンネルのおかげできれいな状態で育ちました。植え付け初期に虫に食べられると成長が阻害されてか結球しないこともあるので、虫対策のトンネルは重要です。
トンネルに入りきらなかった余った苗をトンネル外のところに植えましたが、虫食いでボロボロでした。(人身御供にさせてしまったかも。)

トンネルをすると、追肥をする時や収穫の時にいちいち開けないといけないのが手間ですが、効果は歴然なのでオススメします。ビニールのトンネル程ではありませんが保温効果もあり、育ちが良いです。私はアマゾンでこちらの防虫ネットを購入し、洗って繰り返し使っています。

また、自然農薬コンパニオンプランツ益虫を使うという方法もあります。これについては奥が深く、長くなるので別記事で書く予定です。

いつもいろいろ教えてくれるおじさんは、ニンニク・タカノツメ・木酢酢・焼酎を混ぜて希釈した自然農薬を使っていると教えてくれました。

この写真は、NHK「カエルの手 猫のしっぽ」でおなじみのベニシアさんのレシピで作った自然農薬。焼酎じゃなく、ホワイトリカーを使っています。お国柄が出て面白いですね。

そもそもですが、私は家庭菜園をする上でのポリシーとして「絶対に(市販の)農薬・化学肥料は使わない」ということを掲げています。もしそこまでこだわらないということでしたら、家庭菜園用の使いやすいスプレータイプの農薬が販売されているので使ってみても良いと思います。オルトラン等の薄めて使うタイプのを使っているという人もいました。市民菜園でも農薬を使っている人は多いです。

※ただ、日本でグリホサート入りの農薬が簡単に手に入ること自体が世界の潮流と逆光していておかしなことのようです。できれば農薬は使わないことをおすすめします。こちらの山田正彦著『売り渡される食の安全』がとても参考になります。

6.対策4:肥料を入れすぎず、健康な野菜を育てる

肥料を入れすぎると、植物が消化しきれない分を虫が食べに来るのか、虫がつきやすいです。また、肥料や堆肥自体に虫が来ることもあります。堆肥や肥料は完全に発酵したものを使わないと、畑で腐敗して虫が涌くようです。

以前、オーガニックフラワーの研修を受講したことがありますが、その際に「花瓶の水が臭くなるのは、肥料を入れすぎたダメな土で育てているせいで、水が腐敗しているということだ」と教わりました。人間に例えると食べ過ぎて肥満体の不健康な状態になっているとのこと。こうなると虫もつきやすいそうです。この時の講師は堆肥づくりの名人として著名な橋本力男さんで「野菜にアブラムシがつくなんて、よくない土を使っている証拠だ」とおっしゃっていました。耳が痛いところです。「肥料をズブズブに入れて育てた肥満体の野菜なんて食べたいと思うか?」とも話されていました。

とにかく、良い土を使い健康な野菜に育てるのが虫対策には一番だということです。これは私もまだまだ試行錯誤中です。

※関連記事
家庭菜園の土づくり、私のやり方

※肥料を入れすぎた野菜は人間の身体にも悪影響があると言われていますので、その観点からも肥料の入れすぎに気をつけることをおすすめします。こちらの記事に記載しております。
家庭菜園のメリットとオススメする理由(4.自分で育てる野菜は「見える化」ができている)

7.対策5:水道のある菜園を借りる

家庭菜園あるある・・・「おじいちゃんが畑で育てた野菜をくれるけど、結局スーパーで買ってきた野菜を食べてる」という話をよく聞きます。なぜなら土や虫がついているからです。マンションの台所で、バサーと土が落ちたり虫がついていて「ギャー」となったりするのはいやですよね?庭がある一戸建てなら庭で洗うこともできますが・・・。だから、土つき、虫つきの野菜を家に持って帰りたくない方は、水道が設置されている菜園を借りるのをオススメします。

私が借りているところは、水道が設置されているので、ざっくり洗ってから持って帰ります。葉物も、バケツに水を張ってザブッザブッとふりさばいて持って帰ります。これでマンションの台所で「ギャー!」となる確率はかなり低くなります。

8.最後に:虫をあなどってはいけない、破傷風ワクチンについて

いかがでしたか?私もたいがい虫嫌いですが家庭菜園をやって良かったなあと思うので、参考になれば嬉しいです。

最後に言っておきたいのが、虫をあなどってはいけないということ。最近は毒がある虫も増えてきていますし、蚊もマラリア等を運んでこないとも限らないと思います。セアカゴケグモ、マムシ、スズメバチ、毒蛾、ダニ、等々。マダニについては毎年亡くなる方のニュースを見かけます。家庭菜園も一歩間違えれば危険を伴うということを意識しておく必要があります。

ちなみに、虫の話ではありませんが、私と夫は有機農家さんの手伝いにいくのを機に、昨年破傷風の予防注射を受けました。通常はワクチンはできるだけ打ちたくないという考えを持っていますが、この破傷風だけは受けておいた方が良いと考え、調べてみると近所のクリニックで取り扱いがあったので、予約して受けました。
予約後はキャンセル不可、自費で5000円、破傷風単独ではなく二種混合DTというジフテリアとの混合ワクチンでしたが、受けたおかげで安心して土にも触れます。破傷風は発症すると致死率が高いため、ご参考にしていただければ幸いです。

・参考 国立感染症研究所 マダニ対策、今できること
・参考 厚生労働省 破傷風

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