家庭菜園のメリットとオススメする理由

2021年1月28日

私は家庭菜園を初めて6年ほどになります。大変なこともありますが、やってて良かったなと思うことの方が多く、これからも状況が許す限り続けていくつもりです。この記事では、私が考える家庭菜園のメリットとオススメする理由についてご紹介します。

<関連記事>
※デメリットについてはこちらの記事をご参照ください
家庭菜園をするうえで、大変なこと、しんどいこと

※虫嫌いの方はこちらもぜひお読みください
虫が苦手な私が家庭菜園を続けていられる理由

<目次>

  1. 知的好奇心が尽きない
  2. 美しい光景に癒される
  3. 料理の腕が上がり、美容と健康に良い
  4. 自分で育てる野菜は「見える化」ができている
  5. コロナ禍でも正々堂々と続けられる
  6. 食糧危機に備えられ、家計にも貢献する
  7. 持続可能な社会づくりに貢献できる     

1.知的好奇心が尽きない

一番の理由はこれです。
野菜作りをするに当たっては、とにかく頭を使います。例えば大根の種まきだけでも、次のようなことを考えます。

どの品種にする?
→伝統的な固定種にするか、育てやすいF1種にするか、美味しいのはどれだろう?

どこで種を買う?
→ホームセンター?ネットショッピング?種苗店?

種まきはいつまでにしたら良い?
→堆肥や元肥を入れて耕して寝かせる時間を逆算すると夏野菜をいついつまでに撤去しないと!

マルチを使う?使わない?
→去年はマルチを使ったけど今年は使わずにチャレンジしてみようかな。

といった具合です。無事収穫まで辿り着き、きれいな野菜ができると物凄い達成感があります。旬の時期にも詳しくなりますし、季節の移り変わりにも敏感になります。毎年気候は違いますし、土の状態も私はまだ6年程度しか経験がありませんが、例え30年ほど野菜作りをしていたとしても、おそらく「これで100%習得した」ということにはならないだろうと思います。

自分で育てたニンジン。きれいにできると記念撮影して達成感を味わいます。
注:なぜか肌を出していますが、普段はちゃんと長袖を着ています。

家庭菜園を始めた頃は「F1種」と聞いても「え?なんですか?クルマ?」という感じで恥ずかしいくらい無知だった私ですが、そこから派生して現在の環境問題、種苗法改正の問題、行き過ぎたグローバリズムの弊害など、現在の社会が抱える様々な問題にも、真剣に興味を持つようになりました。

また、感覚の話で恐縮ですが、会社経営者で野菜作りをしている人が多いように思います。自分の手で何かを生み出す喜びが野菜作りにはあり、それが会社経営と共通するのかなと推測しています。夫は「家庭菜園をしていることで話のネタに困らなくなった」とよく言っていますが、私もそう思います。これも大きなメリットです。

2.美しい光景に癒される

美しいトマト

色づき始めたトマト。微妙な色合いがなんとも美しい。

インゲンの花

これはインゲンの花ですが、マメの花はスイートピーと似ていて観賞価値が高いです。

バジル

葉っぱだけのものも観賞価値があります。バジルの葉っぱはツヤツヤです。

ツクシ

畑の外に生えてきたツクシ。畑の中にスギナがはびこると野菜の成長が妨げられて大変ですが、ツクシは可愛い!

このように、自分で野菜作りを始める前はバジルの葉っぱをみて癒されるなんてことはありませんでしたが、生き生きと育つ野菜は美しく、見ているだけで自分の活力源になります

3.料理の腕が上がり、美容と健康に良い

男の人は「野菜を作って持って帰るだけ、余ったら近所に配る」という人が多いようですが、主婦が野菜作りをすると、絶対に料理のことまで考えます。必要な分だけスーパーで買うのとは違い、畑で採れるものは一気に大量のものが採れますので、どのように調理するか、一週間以内に食べるものは冷蔵庫へ、それ以上はどのように保存すれば良いかというようなことを考えて、できる限り「食べきれずに廃棄する」ことのないように工夫します。そうすると、料理の腕も自然と上がってきます

野菜をたっぷり食べることは、美容と健康にもつながります。テレビ番組の『ポツンと一軒家』を見ていると、高齢でも肌がきれいな人が多いなと感じています。若い頃から畑仕事や山仕事をしてたくさんの紫外線を浴びているだろうに肌がきれいなのは、旬の野菜をたっぷり食べておられるからかなと推測しています。

こちらの本には、「最強の野菜スープ」として野菜をスープにして食べることが身体に良いと紹介されています。私は食べきれないほどたくさん収穫できた時はいつもこういうスープにして消費しています。↓

4.自分で育てる野菜は「見える化」ができている

野菜をたっぷり食べることは美容と健康に良いと上に書きましたが、矛盾するようですが、野菜に残留している「硝酸態窒素」は身体に悪影響を与えると言われています。

※参考記事
・『安心な食べ物ネットワーク』より: 野菜に含まれる危ない硝酸態窒素
・『東洋経済オンライン』より: 野菜ジュースの真実、伊藤園・カゴメに聞いた
・『農林水産省』ホームページより: 野菜等の硝酸塩に関する情報

ざっくり言うと、肥料を与え過ぎると植物が消化しきれずに植物の中に残ってしまい、それが人間の身体に悪影響を及ぼすと言われています。よって「野菜をたっぷり食べると健康に良い」と一概には言い切れないということです。
私は自分で育てる野菜はもちろん無農薬、化学肥料は使っていません。市販の有機肥料は使っていますが、少なめにして様子をみるようにしています。「じゃあ市販の有機肥料は絶対に安全か」と聞かれると答えに窮しますが、これは自己責任だと考えています。

また、現在はスーパーの主要な野菜はF1種の野菜がほとんどになっていきつつあるようです。F1の種を作る際に「雄性不稔」という子孫を残さない野菜が元になっていることがほとんどのようで、こういった野菜ばかりを食べていて大丈夫なのかと言われています。(はっきりしたことは分かりません。)F1種は農家さんにとってはとても良いものですし、食料の安定供給には必要不可欠なものですが、家庭菜園では固定種の野菜を育てるのがむしろ適しており、自分ごのみの伝統的な種を取り寄せて種から自分で育てるというのは何よりも安心感があります。(この種の件については、別記事で後日書く予定です。)

今後「ゲノム編集された野菜が2022年にも日本で流通されるようになる」とニュースで見ました。ゲノム編集されていても表示義務はないということですので、普通にスーパーに陳列され、普通に買い、普通に食べるということがそのうち日常になるだろうと思います。安全だとは言われていますが、とりあえず私はしばらく様子を見たい(できれば避けたい)と考えています。

※参考記事
・『毎日新聞』より: ゲノム編集食品、日本でも流通へ 生まれる新食材、人為的改変に懸念も

ゲノム編集されたトマト「シシリアンルージュハイギャバ」は、2021年にモニターとして家庭菜園用に苗が無償で提供されるようです。単純に好奇心がうずくので申し込んでみたいような気持ちも正直ありますが、控えておきます。ご興味ある方はこちらからどうぞ。

・『マウロの地中海トマト』のホームページ: GABA高蓄積トマトの栽培モニター募集

現在はいろんな商品が溢れていて、情報も溢れていて、専門家でない私にはどの情報が正しくどの情報が正しくないかは分かりません。正しいか正しくないかは白か黒で分けられるものでもないでしょうし、安全かどうかに絶対はないというのも理解しています。でも、少なくとも自分の手で育てたものは、どの種苗を使い、栽培期間中はどうやって育てたか「見える化」ができているので、絶対に「安全」とは言い切れませんが「安心」して食べられます

5.コロナ禍でも正々堂々と続けられる

2020年、新型コロナウイルスの感染拡大により、世界は一変しました。
私と夫はそれまで音楽を趣味にしており、楽団に入っていましたが、趣味として音楽を続けることに罪悪感を抱くようになってしまいました。集まって音楽をすることでクラスターが発生してしまったら・・・教育の一環であるクラブ活動でもなく、プロの音楽家でもなく、趣味の集まりとしての音楽をやっていて良いのだろうか・・・

そんな中でも、家庭菜園は堂々と続けていられました。畑に行くことはステイホームではありませんが、車で畑まで行き、畑では密にもならないのでノープロブレム!と判断しています。人がいない時はマスクも外せます。

5月の緊急事態宣言がでた頃は鬱々と塞ぎ込むこともありましたが、家庭菜園によって私の心はかなり癒されました。

※2021/01/21追記
テレビ東京『主治医が見つかる診療所』という番組を見ていたら、柴田理恵さんが家庭菜園をしていることについてお医者さんが「土いじりは癒し効果がある、コロナ禍でオススメ」と話されていました。まさに私がここで言いたかったそのままのことが紹介されていて嬉しく思いました。

6.食糧危機に備えられ、家計にも貢献する

2020年は、物流の遮断、海外でのバッタの大量発生、コロナで農作業に支障が生じる等により、「食糧危機がくるかも」とも言われていました。現時点では日本においては食糧危機は発生していませんが、今後も発生しないとは限りません。

自分で食糧が作れるということは、安心感につながります。主食のお米までは作れませんが、一部だけでも作れたら、いざとなったら物々交換ができるんじゃないかと想像しています。

また、家計にも貢献しています。
今借りているところは2年契約で30,000円(月に換算すると1,250円)×2箇所です。私は「どうせならスーパーに売っていないものを育てたい」と考えて好奇心に任せていろんな野菜を育てている為、種苗代もかかりますし端境期やうまく育てられなかった時はスーパーで野菜を買います。よって、家計がすごく楽になるとは言えませんが、市販の高価なオーガニックの野菜を買うことを考えるとかなり助かっています。特に野菜の値段が高騰している時は、野菜作りをしていて良かったなぁと思います。

7.持続可能な社会づくりに貢献できる

私はアリス・ウォーターズさんの「美味しい革命」に共感して家庭菜園を始めました。
自分で食べられるものを持続可能な方法で育て、食べ物を大事にし、旬のものを食べ・・・この流れは世界的な潮流だと思います。私一人が持続可能な社会づくりの為に何かをしてもたかがしれていますが、何もしないよりは、何かはした方が良いと考えています。

(引用)
Eat locally and sustainably.
地元で持続可能的に環境に配慮して作られたものを食べましょう
Eat seasonally.
旬のものを食べましょう
Shop at farmers’ markets.
ファーマーズ・マーケットで買い物をしましょう
Plant a garden.
庭に食べられるものを植えましょう
Conserve, compost, and recycle.
ものを大切にし、コンポストをつくり、そしてリサイクルに努めましょう
Cook simply, engaging all your senses.
料理はシンプルに、五感をすべて使って
Cook together.
みんなで一緒に料理をしましょう
Eat together.
みんなで一緒に食べましょう
Remember food is precious.
食べ物は尊いということを忘れずに

引用元:Alice Waters 『THE ARTS OF SIMPLE FOOD』より

日本では家庭菜園でもグリホサート入りの農薬が簡単に買えますし、農薬は使わないという人でも化学肥料は普通に使っている人が多いです。よって「家庭菜園=環境に貢献」ではありません。また「じゃあ私だけでも自然栽培でやるぞ!」と思っても、小さな市民菜園では自然栽培はできません。
という訳で、「“できるだけ”オーガニックに」というスタンスではありますが、これからも家庭菜園を続けていき、持続可能な社会に向けて少しでも貢献したいと思います。

※関連記事
家庭菜園の「土づくり」、私のやり方


いかがでしたか?
どういうところに家庭菜園の魅力を感じるかは人それぞれですが、私(40代主婦)の目線で書きました。年代や性別が違うまた違う目線があると思いますが、家庭菜園を一度始めるとハマってしまうということは同じなんじゃないかなと思います。もし、家庭菜園を始めようか迷っていてこの記事を読んでくださっている方は、まずは始めてみることをオススメします。ハマってしまうこと間違いなし!!

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