【今年のエンドウ】誘因の反省とオススメの食べ方

5月になり、道をトラクターが行き交う光景があちこちで見られ、田植えの季節が近づいてきているんだなと感じます。この辺では5月21日に水路掃除、その後に水を張って田植えというスケジュール感のようです。私はお米のことは本当に知らないので、周りの畑がきれいに耕されていく様子を見ていると、ちょっと取り残されているようで焦ってしまいますが、まずは自分の畑をきれいにしなければ。

季節が進んでエンドウマメも花が咲かなくなり、全体的に黄色くなってもう終わりですね。

エンドウマメと言っても、さやエンドウ、スナップエンドウ、実エンドウの3種類ありますが(NHKの『やさいの時間』では“エンドウ三兄弟”と表現されていました)、同じエンドウなのに味わい方が3者3様でどれか一つでも欠けると春が来たという感じがしないので、毎年3種類とも育てています。

今日は、今年のエンドウについて振り返りたいと思います。

今年育てたエンドウ

さやエンドウ、うすいエンドウ(実エンドウ)、フルーツスナップエンドウ、そして、ブームのツタンカーメンエンドウを育てました。ツタンカーメンは、実エンドウの部類のようです。

誘因のやり方がまずかった・・・

昨年までは、畝の長さがせいぜい2メートルの市民菜園で育てていたので、畝の両端に支柱を立て、ダイソーで買ったキュウリ用のネットを使って誘因していました。

今回、広い農地を借りて育てるのは初めてで、はて、どのように誘因すればいいのやら・・・と疑問に思い、自然農の本に載っていたやり方で、支柱を立ててみました。↓

(大雨の直後に撮った写真なので水が溜まっています。)

ヒモを張って、ワラをぶら下げるやり方です。成長してきたらツルが絡んでくれるらしい。

なんか風流やん、自然農っぽいやん、と少し悦に浸っていましたが、ちょっとした木枯らしが吹くたびに、ワラが支柱側に寄ってしまいます。それならばと、風が吹いても寄ってしまわないよう、洗濯バサミで止めたりヒモでギュッと結んだりしてみましたが、また木枯らしが吹くと、体操選手が鉄棒で大車輪しているかのように、その場でグルグル回ってます。

春になってツルが成長し出してワラにつかまろうとしても、今度は春一番によってまたワラが翻弄され、ツルが絡まってくれる気配は全くなし。・・・周りの農家さん、笑てはったんじゃなかろうか。

本に載っていたやり方ではありますが、私のやり方が何かが間違ってたのかもしれません・・・ともかく「こりゃあかん」と、一株ずつ支柱を立ててガッチリ固定し、何とか成長軌道に乗せました。ただ、うすいエンドウはあまりにも風に吹かれてグラグラしたせいでいくつかは枯れてしまい、今年は収穫が豆ご飯3回分ほどしかありませんでした。

どういうのが正しい誘因の仕方なのだろうと周りの農家さんを見ると、直径10センチはあろう木のくいを何本か打ち付けて、ワイヤーのような丈夫なものを6段ほど巻きつけるというやり方をされています。キュウリ用のネットを使っている人は見かけないです。

思えば、エンドウを育てる期間は、木枯らし、春一番、そしてゴールデンウィーク前後にはメイストームということでなかなかの強風が吹き付けます。そういうのを見越して、かなり頑丈に支柱を立てないといけないんだなと反省しました。また、周りのマネをすることを何だか恐縮に感じてしまっていましたが、素直にマネさせてもらうのが一番確実なのかもしれません。

オクラ支柱は成功!

ツタンカーメンエンドウだけは、別の方法で誘因しました。

ツタンカーメンはどうせブームに乗っかって育てるものだし、オクラを支柱にするやり方を試してみることにしました。これも本で見た方法です。

冬の間は「枯れた見すぼらしいオクラを片付けないズボラさん」みたいに見られていたと思いますが、春になってツルが伸びてくると、ちょっといい感じになってきました。こんな感じ!

しっかり絡んでます!

ある程度成長した段階で、脇芽のツルが倒れてこないように麻ひもでグルっと取り囲みました。

オクラは硬盤層を破壊するのにも使えるというくらい直根で深く根っこを伸ばすと聞いていましたが、本当に丈夫なんですね。数々の強風・暴風にも倒れることなく、マメを絡ませてもなお倒れないって、これほどとは思ってませんでした。

ちなみに、奥の方に少し見えているのはライ麦です。これも2メートルくらいまで伸びていて、いい感じの防壁になってくれています。

エンドウを食べ尽くす!

さて、春の味、エンドウ。

サヤ、スナップ、実、同じエンドウなのにそれぞれに味わい方が違って、気づけば食卓が豆づくしになっています。各家庭でご自慢の料理方法があるだろうエンドウ。僭越ですが、私のオススメの食べ方を紹介します。

サヤエンドウ

割と最近まで、ちらし寿司や高野豆腐の彩りに、というイメージしか無かったサヤエンドウですが、テレビの料理番組で「お味噌汁に入れるとよい」と聞き、やってみたら本当に美味しかったので、それ以来、サヤエンドウの食べ方はもっぱらお味噌汁の具です。

え?あんなペラペラのもの入れて具になるん?せっかくの彩りもお味噌色になってしまうだけちゃうん?と思うところですが、サヤエンドウはお味噌汁の具として主役を張れる存在だと思います。

というのは、サヤエンドウって実はとても香りが良くて、それがお味噌の香りととてもよく合うんです。このお味噌汁を飲むとつい「あ〜長生きするわ」などと言ってしまいます。

サヤエンドウの香りを活かすため、具は、油揚げとサヤエンドウだけで十分。「彩り」のイメージが強いサヤエンドウですが、今は「香り」を味わうものだという認識でいます。もしかすると自分で育てて採れたての新鮮なものを使うから、余計に香りが強いのかもしれません。

サヤエンドウを育てている方はぜひ試していただきたいです。

スナップエンドウ

パキッ、シャキッ、が命のスナップエンドウ。今年はこれをメインにしようとしてたくさん植えたつもりなのですが、やはり風に煽られていくつかは枯れてしまったというのと、たくさん育てても美味しいから全部食べてしまうという問題があり、売る分までなかったです・・・。

スナップエンドウは、シャキッという食感が命なので、王道の食べ方は「炒め物」だろうと、いろんな炒め物をしました。

・塩・コショウ(塩強め)
・バター炒め
・バター醤油
・ニンニク・バター醤油
・アーリオオーリオ風

どれも美味しい!スナップエンドウってほんと優秀。炒めダレとして青じそドレッシングを使ってみても、これまた美味しかったです。開いてマメを見せて盛り付けるとちょっとオシャレな感じも出ます。

こんな感じで、スナップエンドウは炒めて食べるものであってそれ以外は邪道だと考えていましたが、今年、考えがくつがえりました。それは天ぷらです。

最近よく行く天丼屋の「さん天」で、別料金のトッピングとして「スナップエンドウの天ぷら」というのがメニューに書かれているのを見て、帰宅してから試しに天ぷらにしてみたらこれがピカイチでした。スナップエンドウの命である「シャキッ」に「サクッ」が加わって、一層美味しくなりました。

上下の筋を取り除き、破裂防止のために先を切り落として空気の逃げ場を作り、衣をつけて揚げる。揚げると言っても私のことなのできちんとした揚げ方じゃなく、フライパンで油多めにして炒め揚げにする簡単バージョンです。ついでに昨年収穫したサツマイモのアヤムラサキも一緒に天ぷらに。

これはいくらでも食べられる・・・。

毎日、約300グラムの収穫があり、一般家庭で消費するには多い量ですが、普通に消費してしまいます。

ただ、300グラムだと、150グラムずつパッケージにして売るとしても2パックしかできないので、来年はもっとたくさん育てようと思います。

スナップエンドウは、収穫のタイミングが難しくて、早いと食べ応えがないし、遅いと筋を取り除いても口当たりが悪くなってしまったり、無農薬なのでアブラムシにつつかれて見た目が損なわれてしまったりします。この写真くらいがベストでしょうか?エンドウに限らずですが、何気に収穫のタイミングって難しいです。

実エンドウのツタンカーメンエンドウ

「これで豆ご飯をするとピンクのご飯になるらしい」と、夫がFacebookで仕入れた情報を教えてくれまして、とりあえずやってみました。

ちなみに、ツタンカーメンエンドウは、サヤは紫ですが豆は普通に緑です。

ご飯をピンクにするにはサヤを茹でて茹で汁に色素を移し、その茹で汁でご飯を炊くらしい。こんな感じになりました。

料理写真でNGの蛍光灯の下で写真を撮っているのと、胚芽米を使っているのと、使ったサヤが少なかったのとで何だかよく分からない写真ですが、とりあえず薄っすらだけ色づきました。まあ普通に美味しい豆ご飯でした。

実エンドウ・うすいエンドウ

ツタンカーメンの豆ご飯は普通に美味しかったのですが、このうすいエンドウで同じく豆ご飯をしてみると、やっぱりこっちの方がずっとずっと美味しいと感じました。粒が大きいのに皮が柔らかく、甘くてホクホクしています。

このうすいエンドウを贅沢にたくさん使い、出汁で炊いて溶き卵でとじた「エンドウの卵とじ」が父の好物だったので、たくさん収穫してお供えしてあげたかったのですが、今年は収穫が少なく、現世に生きる人のみで消化予定。来年はたくさん育てたいと思います。

以前、豆だけ取り出してジップロックに入れて冷凍したら、生よりは風味は落ちたものの、結構長持ちしました。今年は冷凍保存しておく分はありませんが・・・


エンドウって秋から育てて割と長く畑を占領するのに、収穫できる期間ってあっという間に終わってしまいますね。葉っぱが黄色くなっていくエンドウを見ると、今年もありがとう、また来年がんばって育てよう・・・とちょっと淋しい気持ちになります。

今年は梅雨が早く来そうなので、耕運機をかけたりするのも早め早めにやっておかないとタイミングを逃してしまいそう。タネ取り用のが収穫できたら早めに片付けたいと思います。

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