1年経って、雑草の様子が少し変わりました
昨年、「借りたばかりの農地の雑草がイネ科ばかりで多様性がない、どうやら痩せ地のようだ」という主旨のブログを書きました。こちらです↓
※2021年6月3日に書いたブログ
【新規就農】雑草との戦いが始まる、と思っていたら・・・
何気なく書いたブログですが、なぜか結構なアクセスをいただいています(どこかで拡散されてますか??)。
この1年、せっせせっせと雑草を刈っては草マルチにするということを繰り返してきたからか、雑草の様子が少し変わってきたように感じています。これは続編を書かなければ!
・・・ということで、今日は、最近の雑草の様子について書きたいと思います。
参考文献は、『これならできる 自然菜園』
昨年のブログでも紹介しましたが、私がよく参考にしているのが、竹内孝功さん著のこちらの本です。(2012年に発行された本なので、もしかしたら全面改定されたものが出版されているかもしれません。)
こちらの本には、生えている雑草によって、その土地が肥えているかどうかをステージ0〜ステージ3で分類し、その土地に適した野菜を育てましょうということが書かれています。
・ステージ0:荒地
・ステージ1:やせ地
・ステージ2:普通地
・ステージ3:肥沃地
昨年、うちの畑に生えてきた雑草は、チガヤ、ギシギシ、スギナ等が多く、判定はステージ0か1ということでお世辞にも肥えている土ということは言えない状況でした。
この1年で投入した資材
雑草や野菜の残渣は、外には一切持ち出していません。秋に少しだけ燃やしましたが、基本的には草を刈ってはそのまま置いてマルチにしたりしました。あの大量の草がほとんどが土に還ったのかと思うと、シメシメというかヨシヨシというか、とにかくイイぞ!という感じです。
投入した資材としては、これまでのブログとも重複しますが、主なものは次のとおりです。
・籾殻と、それから作った籾殻くん炭
・米ヌカ
・油かす
・苦土セルカ
・畑のカルシウム
・ラクトバチルス(最初に1度だけ投入)
最近の雑草の様子
さて、本題です。
春に畑を借り、冬には、インスタに投稿した写真を見て「雑草の様子を見ると、水はけ悪くないですか?」とコメントをいただいたほど、見ただけでもイマイチな土でした。
しかし、春になって雑草が芽吹き出し、あれ?ちょっと変わってきたかな?と感じるようになりました。
その頃から4月末の現時点までに撮った雑草の写真を紹介します。
ステージ0の雑草
ステージ0は前述の書籍では荒地に生える雑草という分類をされています。
2022/03/21撮影。ツクシ(スギナ)
「ちょっと変わってきたかな?」と言いつつ、4月末の今、スギナは相変わらずすごい勢いで生えています。全面にというよりも、あぜに近いところが特に多いです。
でも、昨年と比べて、ツクシがかなり減りました。
昨年は気持ち悪いくらいビッシリとツクシが生えており、今年も3月中旬になってそろそろツクシが生えてくるだろうと待っていたのですが、なかなか生えてこず、あれ?おかしいな?と思って注意深く観察していると、3月21日にようやく1本発見し、この後もいくつか見かける程度で終わりました。「ツクシが減った=スギナの勢いが弱まっている」かどうかは分かりませんが、期待したいところです。
スギナ以外のステージ0の雑草で言うと、ヨモギも今年はかなり減りました。ヨモギは色々と活用できるから、これ以上減らないでほしいのですが。(「色々と活用できる」って、ズバリ、お餅狙いですけどね。)
同じくステージ0のセイタカアワダチソウは、チラホラ生えてきていますが、小さいうちのセイダカアワダチソウは簡単に抜けるので楽勝です。
ステージ1の雑草
ステージ1は、やせ地に生える雑草の分類です。
2022/03/17撮影。シロツメクサ。
シロツメクサは、あぜや法面に自ら種蒔きしたものなので、雑草というカテゴリーにするか迷うところですが、部分的にイキイキと育っています。法面の草刈りがかなり大変なので、他の草を生えにくくするために種蒔きしました。雑草というカテゴリーにしておきながら恐縮ですが、ぜひシロツメクサさんには頑張っていただきたいです。
2022/04/19撮影。ハハコグサ。
産毛っぽいのに覆われた白い葉と黄色の花がきれいな雑草です。畝と通路の境目などにたくさん生えています。
別の雑草の本によると、ハハコグサの別名はゴギョウで、七草粥に入れる春の七草の一つのあのゴギョウだそうです。なんかあんまり美味しそうに見えませんが、確実に食べたことがある雑草なのですね・・
2022/04/27撮影。ステージ1の雑草の饗宴・・・
ここはあぜの近くで、畝立てしたものの、しばらくほったらかしにしてしまっているところです。ステージ1のギシギシ、スギナ、そして何故かジャガイモも出てきています・・・。測ってませんが、この写真を見るだけで、酸性で痩せてる土やなとヒシヒシと伝わってきます。
あぁ、ここに籾殻くん炭を撒きたい・・・そんな衝動に駆られます。淀屋橋でOLしていた頃には考えられなかった思考回路です。
写真右下の雑草が何なのか分からないのですが、この雑草が今、全面に生えてきています。花が咲いたら分かるかもしれませんが、ビッシリ生えてきていて、ちょっと厄介だなと感じています。
ステージ2の雑草
ステージ2は、普通地に生える雑草だそうです。
2022/03/17撮影。カラスノエンドウ。
この農地を紹介されて初めて訪れたのは、昨年の2月。昨年は、全く存在に気づかなかった雑草です。耕作部分は直前に全面耕運されていたから昨年は生えてこなかったというだけかもしれません。ともあれ、ステージ2の雑草が見られるようになったのは嬉しいです。
このカラスノエンドウは、根粒菌がつくので土に良いと聞き(SNS情報です)、1月頃から生えてきていましたが、抜かずにあえて放置していました。
試しに抜いてみると、確かに根にツブツブの根粒菌らしきものがついていました。
ちょうどこの頃、農協での土壌検査の結果が出て、うちの畑にチッ素分がかなり少ないことが判明したこともあり、「カラスノエンドウよ、根粒菌よ、我が畑にチッ素を与えたまえ〜」と放置していましたら、案の定というか何というか、、、3月になると畑ですごい猛威を振るうように・・・
こんな感じでこんもりです。そりゃそうですよね。
ニンニクや玉ねぎの畝にもビッシリ生えてきて、さすがにこれはイカンと思い、玉ねぎ等を折らないように、あいだを丁寧に手で抜いていきましたが、なかなかの骨が折れる作業でした。
カラスノエンドウは法面にもビッシリ生えてきて、前述のシロツメクサとカラスノエンドウでかなり法面が覆われています。昨年の法面は、セイダカアワダチソウやクズのツルなどが枯れたものなどでぐちゃぐちゃに覆われていていたのですが、そこからすると法面はこの1年で大きく変化したなぁと感じます。
2022/04/27撮影。スズメノカタビラ。
なんとなく、やせ地に生えそうな雑草に見えますが、これはステージ2の雑草のようです。
ステージ2と聞くと嬉しいのですが、こういう系の雑草は根っこが頑丈で抜きにくく、ちょっと厄介で、三角ホーで強引に刈っています。繁殖力も強いみたいで、あまり増やしたくない雑草です。そういう点では、ギシギシなんかは、スポッと気持ちよく抜けるので割と好きではあります。
ステージ3の雑草
ステージ3は、最高位、肥沃地に生える雑草です。
2022/03/17撮影。ホトケノザ
ホトケノザが生えてきたら土が肥えてるというのは有機農業をする人の間では有名ですよね!うちにも生えてきました!Welcome、ホトケノザ!
2022/04/5 撮影。ヒメオドリコソウ。
なんか気持ち悪いホトケノザがあると思ったら、全く別の雑草で、ヒメオドリコソウという雑草でした・・・
2022/04/5撮影 ハコベ?かな?
2022/03/17撮影 ナズナ?かな?
雑草の見分け方がいまいち自信がないのですが、昨年はほとんど見られなかったステージ3の雑草が出現してきているというのは間違いなさそうです。
ここは元々は慣行農法の田んぼだったそうですが、私が借りる直前にここを使っていた人は、短期間で来られなくなったとはいえ、農薬・化学肥料を使っていなかったと聞いています。耕作放棄状態だった期間も含めると、2、3年くらいは農薬・化学肥料を投入されていないだろうと思われ、もしかすると地力をつけるのも割と早いのではないか、と期待しています。
その他の雑草
『これならできる自然菜園』の本には記載されていませんが、他にもたくさんの雑草が生えています。
2022/04/27撮影 キツネノボタン?
金平糖のような実が特徴的ということなので、多分キツネノボタンという雑草で合っていると思います。雑草の名前って、なんでこんな名前なん?って考えるのが面白いですよね。
2022/04/27撮影。アメリカフウロ
一番最後に紹介する雑草ですが、何気にこのアメリカフウロという雑草、めちゃくちゃ多いです。
冬の間は地面に張り付いたようなロゼット状だったのですが、春になって立体的に伸び出し、今はエライ事になってます。でもギシギシと同じようにスポッと抜けるし、一本抜くと割とスッキリするのでまあいいかというところです。4月下旬になって小さい花が咲き出しました。
ここまでうちの畑に生えている雑草を紹介しましたが、「いくら何でも生やし過ぎやで!」「写真撮ってるヒマあるなら草の一本でも抜きなはれ」と我ながら思います。最近は土砂降りの雨が多くて畑にもなかなか行けず、すごい勢いで伸びてきています。今年は間違いなく、雑草との戦いになりそうです。
でも、昨年と比べて土自体が扱いやすくなっています。昨年は、ガビガビのカチカチの土(言い過ぎ?)でしたが、しっとりと柔らかく、扱いやすくなってきました。雑草も、まだ根っこが張っていない今だけかもしれませんが、多くはスッと抜けるようになってきました。
今週は猛烈な雨が降って、翌日は通路に水が溜まってしまいました。一度水が溜まると、以前なら2、3日は水が引きませんでしたが、今回はその翌日にはきれいに水が引いていました。少しずつではありますが、土の状態もよくなってきているのかな、と思っています。
今月号の現代農業は「緑肥」の特集。夫が買ってきてくれてまだ読めてませんが、緑肥もうまく使って、少しずつ地力を上げていければと思います。
おまけ:雑草は二刀流で抜くべしと意気込んだ結果
さて、こちらは最近新しく借りた方の畑です。2月に、トラクターをかけて文字通り草一つない状態にして引き渡してくださいました。こちらは水道があるので、水を必要とするピーマン、ナスビなどの夏野菜を育てるつもりで空けている畝がたくさんあるのですが、現時点でこんな有様。
以前、研修させてもらった農家さんで、雑草を両手で抜いておられ、すごい勢いでキレイになっていってました。そうか、雑草って二刀流でやっつけるものなのか・・・とその時、学びました。今こそ学びを活かそうではないかと。
また、数ヶ月前に「作業はメトロノームを鳴らしながらやると効率が良くなる」とNHKの「ガッテン」で見たのを思い出し、よしやるぞ!とスマホでメトロノームを鳴らしながら、右、左、右、左とリズミカルに二刀流で雑草を抜いていきましたら、酸欠になって倒れそうになりました・・・う〜ん、体力が欲しいです。
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