【働ける喜び】除草・種まきラッシュ

コロナ感染により、体力がかなり低下していましたが、すっかり良くなりました。食欲も戻って、戻らなくていい体重も元通りになり、もう大丈夫。気力も戻ってきました。

やりたいこと、やらないといけないことがたくさんあるのに、体を動かすとすぐに息が上がり、加えてシルバーウィークの前は台風接近による猛暑が追い討ちをかけて結局まともな作業ができない日が続き、それがすごくストレスでした。

決して前から綺麗に雑草の管理ができていたわけではありませんが、明らかに「これはあかん」状態になってしまった畑を呆然としながら眺め、「そんなんやったら返して」と地主さんに言われるんじゃないかと不安に苛まれ、わけの分からない悪夢まで見るようになっていましたが、ようやくしっかり働ける状態になり、働けるというのがどれだけありがたいことか、しみじみと感じています。

しばらくメンタルもやられていましたが、遅れを取り戻すべく、バリバリ働こうという気持ちも戻ってきた最近の畑の様子を今日は書きたいと思います。

秋の雑草は「えげつない」

雑草って一年のうちでいつが一番伸びるか・・・就農する前は「そりゃ梅雨か真夏でしょう」と思っていました。

実際に梅雨の頃はすごい勢いで伸びますが、真夏は高温と乾燥のためか意外にあまり伸びないということをこの2年で感じています。

そして、少し涼しくなった8月下旬あたりから9月の雨が多い時期が「えげつない」勢いで伸びるということをこの2年で知りました。この時期の雑草は、オヒシバ、メヒシバ、ネコジャラシ(エノコログサ)のようなタネをつける雑草がすごい勢いでトウ立ちしてくるので、草刈機をかけたところが一週間後にはもうトウ立ちし、種をつけた穂先が風にそよいでいます。こういうトウ立ちした雑草って「耕作放棄地」っぽい雰囲気とか、「サボってる感」が出るので早くキレイにしないと、と焦ります。

お隣の畑は、いつも完璧に管理をされている慣行農法の農家さんで「雑草は種を落としてしまうと7年は生えてくるから種ができる前に始末しないとあかんねんで」と先日言っておられました。

はい・・・大変申し訳ございません・・・としか言えませんが、「この畑は耕作放棄地やったから次々雑草生えてきて大変やろ」と優し過ぎる言い方をしてくださいます。だけどおそらく、7年の起算日は今年も始まりそうにないなと呆れられていると思います。

ちなみにこの農家さんは今年の夏はキュウリを栽培されていて、マルチじゃなく、防草シートを使っておられました。防草シートと防草シートの間のスキマはワラを敷き詰め、キュウリなので乾燥防止が主目的なのでしょうけど、雑草は生える余地はなく見ることは全くありませんでした。

うちとは農業のスタイルは異なるものの、見ているだけですごく勉強になります。

除草作業は「無」になれる

シルバーウィーク前半の3連休は、まだかなり気温が高い状態ではあったものの、雲が多くて比較的作業がしやすく、夫とともに久しぶりにガッツリ作業しました。台風が近づいているために種まきができないということもあり、ほぼ除草作業に明け暮れた3連休。

<作業前>前回のブログでもアップしたコロナ療養期間中に荒地になった畑がこちら↓

「雑草だらけのところはスズメバチが巣を作ることもあるから黒い服を着て畑に行かないように」と母からLINEがきました。テレビでやってたのだそう。母の中では、うちの畑は雑草だらけという前提になっているのが何気に屈辱的ですが、スズメバチに巣を作られたら大変なので、とにかく早くきれいにしなければとまたまた焦ります。実際、この草ボーボーの辺りでときどきスズメバチを見かけるので怖いです。

三角ホーでグサッグサッと抜いていきますが、カボチャやさつまいものツルが蔓延っているので、手当たり次第というわけにいかず、丁寧な仕事が必要です。集中して雑草を取り除いていくと、いつの間にか「無」になって作業に没頭している自分に気づきました。

この情報過多の世の中、スマホを見たり音楽を聴いたり何かを考えたりと普段の私は雑念だらけですので、「無」になるってなく、なかなか気持ちいいです。座禅を組んだらこういう気持ちよさになるのかもしれません。こうなったら般若心経を唱えて「無」や「空」について極めようかという気持ちになりましたが「はんにゃーはーらーみーたー」の次が分からなかったので、諦めました。

<作業後>三角ホーで雑草を取り除いていった後の写真がこちら↓(この写真を撮った時点ではまだちょっと残ってますが、ずいぶんスッキリしました。)

取り除いた草はあちこちに山積みにし、タネをつけているしコオロギの大量発生も怖いので、一部は燃やしましたが、風が強くなったりしてほとんどそのままの状態です。

幼い頃、「アルプスの少女ハイジ」の干草のベッドに憧れたなあと思い出しました。その憧れた干草、まさにこれでは?

この際、童心に帰って「わー!」ってこの山に飛び込みたいところではありますが、あちこち痒くなりそうなので思いとどまっています。大嫌いなクモもこの一山だけでも何匹もいるはずです。夫が代わってやってくれないかなとちょっと期待してます。

おっと、スッキリした箇所から東京南京の苗を発見!収穫し損ねたものからタネが落ちて発芽したものだと思います。これは固定種なのでうまくいけば収穫できるかもしれません。さすがに遅いかな・・・

種まきラッシュ

台風14号が去った後は、ひたすら種まきです。除草もまだかなり残ってますが、秋の種まきは急ぐので、除草の手を一旦ストップして種まきに切り替えです。

とりあえず、もうかなり遅れているネギの定植とジャガイモの植え付けは終わりました。急がないといけない玉ねぎと日本ほうれん草の種まきも終わりました。ニンニクは2種類のうち1種類終わりました。

大根、かぶら、水菜、その他もまだまだあります。キャベツ、白菜の定植もしなければ。こぼれ種でたくさん発芽してきているトレビスの移植もしなければ。

ただ、来月末に予定している小さい販売会には出せるものがあるか微妙・・・。エダマメはもうすぐ最盛期で10月末には終わりそうですし、サツマイモは植え付けが遅かったのでもうちょっとかかりそう。茄子は今、かなり収穫できていますが来月まで何とか持つかな・・・。日付指定で逆算して売り物を育てるって難しいですね。熟練の農家さんは「これは◯月◯日に収穫」と、ちゃんとゴールを見据えて栽培されると以前講習会で聞きました。自然に任せた栽培ではなかなかそこまで正確には育てられないですが、ゴールから逆算して栽培する練習もしないといけないなと今回認識しました。

小さな幸せとリスク管理

法面に、ツユクサがたくさん咲いているのを発見しました。去年は咲いてなかったように思うので、法面も草刈りを繰り返すことで土質が変わってきているのかもしれません。

こちらは、シカクマメの花です。「きれいな野菜の花」といえばオクラがトップにくると思いますが、このシカクマメもなかなかのもんじゃないでしょうか。

病気やケガで働けなくなるリスクというのはどんな仕事でもありますが、中でも農業はリスクが高い部類だと思います。種まきができなかったりすると、身体が回復した後も下手をすると何ヶ月も収入が途絶えてしまうことになりかねません。

脱サラして独立する場合は生命保険を手厚くした方が良いというのはマネープランの基礎で、これからは国に頼ることもあまり期待できそうにないということもあり、私も昨年末に新たに掛け捨ての民間の医療保険に加入しまして、今回コロナの入院給付金請求ができそうなので助かりました。(入院してなくても入院給付金請求ができるという特例は間も無くなくなるようですが。)

就農するというのは、食料が高騰しても自分で食料を作れるという安心があり、上記のような日々の小さな幸せもありますが、働けなくなるリスク、自然災害のリスク、地主さんから返してと言われるリスクなど、様々なリスクがあります。これらのリスクを自分で管理、対応できるようにならないと怖いなと思うようになりました。

とにかく今は、畑に行けることが嬉しくて仕方がないです。立ち上がる時に筋肉痛で「あいたたた」となることすらも小さな幸せです。

畑の周辺は、来週に控えたお祭りの準備で盛り上がっています。今日は、だんじりの試験曳きに遭遇できました。

コロナで社会活動が止まっていた分、再開できる喜びがあちこちにあります。何でもない日常、当たり前の日常が送れるというのはありがたいことです。

夕暮れ時の提灯もきれいで、この提灯を飾った人たちは、今年お祭りが開催できることに喜びを感じながら飾ったんだろうなと思うと何だか泣けてきました。あかん、まだちょっとメンタルは回復してないかもしれません・・・

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