【後編】食糧危機に備えて作付けを考えることに
前回のブログの続きです。
※前回のブログはこちら↓
【前編】食糧危機に備えて作付けを考えることに
前回のブログを書いたのは2022年5月19日、それから二週間ほど経っていますが、少しずつ「食糧危機」という言葉を耳にすることが増えてきました。5月31日には、JAの肥料の大幅値上げがNHKの19時のニュースで取り上げられていました。
去年もバッタの大量発生や世界各地の異常気象で食糧危機の恐れという話が出ていましたが、とりあえず日本では食糧危機にはならなかったということもあり、今後も「まあ何とかなるんじゃないの」とも思ってしまいます。いろんなものが値上がりしていますが、まだ手に入れることはできますし・・・。
楽観的な私は「今年も食糧危機なんてこない」と考え、悲観的な私は「今の状況でもヤバイのに、今後、万一、台湾有事ということになれば、海運、空運はどうなるんだろう」と最悪のことを考えてます。とりあえず、いわゆる「ゆでガエル」にだけはならないようにしたいと思っています。
さて、前回のブログは、以下の内容を書きました。
今回は、次の内容で書いていきます。
(後編)
- 主食を確保する
- 地産地消での売り先を確保する
- 保存食を作る
- 小さい家庭菜園のススメ
主食を確保する
昨年から食糧危機の空気があったので、自分で小麦粉を作れるようになっておこうと考え、昨年の秋にライ麦とスペルト小麦の種を撒きました。
特に問題なく育っていて、もうすぐ収穫を迎えます。ここから小麦粉にするには手作業なので大変だろうな、でも小麦粉が自分で作れるようになれば主食が確保できるのでちょっと安心と思っていました。
ところが、たまたま今読んでいる『世界史を大きく動かした植物』という本に、次のように書かれていました。
コメは栄養価に優れている。炭水化物だけでなく、良質のタンパク質を多く含む。さらにはミネラルやビタミンも豊富で栄養バランスも優れている。(中略)
唯一足りない栄養素は、アミノ酸のリジンである。ところが、そのリジンを豊富に含んでいるのがダイズである。そのため、コメとダイズを組み合わせることで完全栄養食になる。ご飯と味噌汁という日本食の組み合わせは、栄養学的にも理にかなったものなのだ。かくしてコメは日本人の主食として位置づけられたのである。
一方、パンやパスタの原料となるコムギは、それだけで栄養バランスを満たすことはできない。コムギだけではタンパク質が不足するので、どうしても肉類などを食べる必要がある。
稲垣栄洋著『世界史を大きく動かした植物』P39より引用
こちらの本です↓
そうなのか・・・やっぱり小麦よりお米か。
でも、私は田んぼを持ってないし、そもそもお米づくりは鉄腕ダッシュで得た知識くらいしかありません。前に一度、手植えで田植えをしたことがあるのですが、あまりの大変さにお米は機械がないと絶対無理という感覚を持つようになりました。となると、夫の助けが絶対に要るし・・・さすがに今は難しいです。
どうしたものか・・・
これはシンプルに、お米づくりをされている周りの農家さんに、いざとなったらお米を売っていただけるように、いい関係を築いておくということで何とかしよう、と思います。打算的やなと思われるかもしれませんが、すでに昨年から何度か買わせてもらっていてとても美味しいので、純粋な気持ちです。
ただ、いつも買わせてもらっているというわけではなく、先日は、欲しい時にあちらが忙しそうにされていたので断念し、久しぶりに楽天市場でお米を購入しました。30キロの玄米を購入したのですが、追加料金300円を払うことで、10キロごとの小分け、かつ、脱酸素剤入りで6ヶ月保存できる状態にして送ってくださいました。これはありがたい!お米は虫がわくから、あまり自宅で長期間保存できないし備蓄しにくいと思っていましたが、これなら比較的大丈夫そうです。
ゆくゆくは自分でお米も作りたいと思いますが、現在の畑の周辺では無農薬でやると他の農家さんに迷惑をかけてしまうので、どこか離れたところを探さないと難しそうです。
とりあえず、穀物で栄養価が高くてスーパーフードといわれているキヌアを育てようかな・・・育て方はさっぱり分かりませんが。
地産地消での売り先を確保する
メルカリから、2022年6月16日から送料を値上げする旨のメールが来ました。
※メルカリ便の配送サービス利用料金改定のお知らせ
https://jp-news.mercari.com/articles/2022/05/16/shipping-fee/
値上げ幅が10円やそこらではなく、結構な大幅値上げとなっています。
これは、他社も追随するかもしれない・・・。私もネットでも売ろうとしていましたが、販売手数料を取られ、梱包代もかさみ、さらに送料も高くなるなら、ネットで売るのって今後はしんどくなるかもしれないと思うようになりました。
これまでも「地産地消で」とはよく聞かれましたが、これからは真に地産地消が大切になってくるかもしれない、地元でお客さんを見つけて定期的に買っていただく、そういうのが理想かもしれない。
このように考え、車で20分ほどの直売所で販売の申込を済ませていましたが、どうせなら「文字通りの直売」を試してみよう、と、畑での直売を実験的にやってみることにしました。こんな感じです↓
もうちょっと何とかならんかったんかいっ!とツッコまれそうな手作り感溢れる直売所でございます。
※念のためですが、うっすら写っている苦土セルカは有機JAS適合資材なので化学肥料ではないです。
この直売に関しては、後日詳しく書く予定です!
この「文字通りの直売」と「やさいバス」をうまく使って販売できる練習をし、今後予想される輸送費高にも適応できるようにしたいと考えています。はて、そううまくいくかな・・・。
保存食を作る
毎年、お味噌、らっきょうの甘酢づけ、梅干しは必ず作っています。理由は、市販のは甘ったるくてあまり好みじゃないということと、単純に作りたい衝動に駆られるからです。でも今後は、備蓄目的でも作ろうと思います。
仮に食糧危機が来ると、少ないカロリー摂取の中で過酷な畑仕事ができるだろうかと心配になりますが、下の本によると、日本人が昔から食べてきた玄米、味噌汁、漬物、梅干しなどで十分にパワーが出るようです。
らっきょうは畑でも育てていて、肥料いらず、痩せ土でもOKなので重宝します。甘酢漬けにして冷蔵庫で保管しておくと、年単位で美味しく食べられるのでオススメです。(常温保存だとシャキッとした食感がなくなってとても食べられたものじゃなくなるので、必ず冷蔵庫で保存要です。)
はああ・・・でも毎日、玄米、梅干し、お味噌汁、だと「焼肉食べたい」とか「生クリームたっぷりのケーキ食べたい」とか思ってしまうんだろうなぁ。畑の前を流れる川には、巨大な鯉がたくさんいます。夫に「いざとなったらあの鯉を釣って食べたらいいかな?」と言ったら「あんなん泥臭くて食べられたもんじゃないで」と言われました。どうか食糧危機は来ませんように・・・。
小さい家庭菜園のススメ!
このブログを読んでくださっているのはどういう方なのでしょう?今までコメントいただいた方の多くは農家さんでしたが、「食糧危機」のキーワードで検索してご覧になっている方もいらっしゃるかもしれません。
昨年まで借りていた市民菜園も、今年は例年になく応募が多かったようですし、実際に周りで家庭菜園を始めたという声を耳にしたりします。以前書いた「農地探し」に関する投稿が最近急にアクセスが増えてきていることもあり、家庭菜園や農業を始めたいと考えている人が増えているのかなと思っています。個人的には、あの「サカタノタネ」が業績予想を短期間で2度も上方修正して株価がすごく上がっていることに興味津々です。
※アクセスが急増している「農地探し」の投稿はこれです↓
【農地探し(前編)】農地を借りるまでの経緯
「昔の人は食糧危機に備えて、どの家でも敷地内に柿の木を植えた」と聞いたことがあります。昔のように自分と自分の大切な人の身は自分で守るという意識がこれからは大切になってくるのかもしれません。
最近は、道具なども揃った貸し農園も増えていて、家庭菜園を始めようとすると割と手軽に始められるのかなと思いますが、料金も結構高くてびっくりします。農地は格安で借りられるからこの差に驚きです。
もし、このブログを読んでいる方で、食糧危機に備えて自分で野菜を作りたいと考えている方は、もちろん貸し農園を借りるのもいいですが、オススメは、地域の広報なんかによく掲載されている「農業塾」に参加してみるというのもいいと思います。もしどっぷりハマって就農したいという気持ちになれば、そこでの経験と人脈は絶対に生きてきます。農地を探してるという意志を伝えておけば良い情報も入ってくるでしょうし、逆に、自分には土いじりが向いてないと気づくことになるかもしれません。
いや、とにかく今すぐ就農したいんだということならば、まずは行政に相談に行って、どういう方法が近道かを聞くのが良いと思います。自治体によっては、いきなり農地を借りられるところもあるかもしれませんし、補助金の話なども聞けるはず。作物を育てることが好きで、さらに商売上手な方なら、農業は本当に面白いと思います。でも、離農する人も多いので、慎重に・・・。夏の暑さは命の危機を感じるくらいしんどいですし、思うように野菜が育たないと出費ばかり嵩みます。
夏の暑さや日焼けは苦手、虫も苦手、という方には、オススメは水耕栽培です。私も以前やっていましたが、液肥を使うので成長が早くて面白いです。インテリアとしてもキレイですしね。スプラウトだったらもっと簡単にできます。
何かしら、野菜作りなんてしたことないけれど「危機」を感じるという方は、小さな家庭菜園を始めることをオススメします。いきなり大きな借金をして本格的な農業を始めるというのだけは慎重に・・・
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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