【夏野菜】今年の振り返りと来年に向けて
最近、有り難いことに「ブログ読みました」と言ってくださる方がちょこちょこありまして、自分で書いてて何なのですが「読みました」と言われると恥ずかしくなってしまう私です。なぜか『【新規就農】雑草との戦いが始まる、と思っていたら・・・』のアクセスが急上昇していまして、え?なんでこの記事が??とアワアワしています。みなさんどこから来てくれはるんでしょう・・・。
さて、12月に入り、冬も本番になってきましたが、そろそろ来年の夏野菜に何を育てるか考え始めなければと思っています。振り返れば今年は、広い農地が借りれるかもしれないという状況になったのが2月下旬で、種の入手や育苗開始が完全に出遅れ、それがずっと後まで響きました。人気の種は早く売り切れてしまうということもあり、今年は早めに種の準備をしたいと思います。
今年の夏野菜の振り返り
来年のことを考える前に、今年育てたものの振り返りをしておきたいと思います。
ざっくりですが、今年育てたものとその評価は下表のとおりです。ひとつひとつの品種に対して1つの記事にしたいくらい詳しく書きたいところですが、そんなん誰が読んでくれるんや、という懸念があるので、ここは涙を飲んで評価を一言で書いています。完全に個人の感想ですのでご容赦くださいませ。
サツマイモや豆類、ついては別の記事で触れる予定です。
<2021年に育てた夏野菜>
分類 | 品種 | 種苗会社 | 固定種 | 評価 | 来年 |
---|---|---|---|---|---|
トマト | 牛の心臓 | HORTUS社 | ○ | 割れがひどいが程よい酸味で美味しい | ○ |
トマト | パープルローズ (ミニトマト) | 藤田種子 | ○? | 割れとカラス被害でほとんど食べれず | × |
トマト | スノーホワイト (ミニトマト) | エアルーム | ○ | 超丈夫で育てやすいうえに甘い | ◎ |
ナスビ | ヴィオレッタ ・ディ・フィレンツェ | HORTUS社 | ○ | 丈夫なうえ、本当に美味しい! | ◎ |
ナスビ | 翡翠茄子 | GFP | ○ | 丈夫で美味しく料理に使いやすい | △ |
ナスビ | ブライド | エアルーム? | ○ | 超丈夫、美しい見た目、美味しい | △ |
キュウリ | 相模半白胡瓜 | 野口種苗 | ○ | 見た目きれい、おいしい | ○ |
キュウリ | 加賀太胡瓜 | 松下種苗 | ○ | 冬瓜のようで美味しい | △ |
ペッパー | ピーマン(ブロッキータイプ) | GFP | ○ | 良くも悪くもピーマンらしい味、日照りで全滅 | × |
ペッパー | カイエンペッパー | FRANCHI社 | ○ | 丈夫で育てやすいが、加工向きか・・・ | ○ |
ペッパー | ビキーニョ ※ | トキタ種苗 | ○ | 辛くない、見た目かわいい | ○ |
オクラ | 八丈島オクラ | 藤田種子 | ○ | 柔らかくて絶品!ほったらかしでOK | ◎ |
その他 | パープルトマティーヨ | 藤田種子 | ○ | 味が私にはちょっと苦手・・・ | × |
その他 | 食用ホオズキ | les doigts verts社 | ○ | 美味しいけど、収穫のタイミングが分からず・・・ | △ |
※毎年お正月にオイシックスのおせち料理を取り寄せているのですが、今年も注文しようとしてメニューを色々見ていたら、「上慶梅」というおせちに「ペッパードロップのピクルス」というのがありました。これはビキーニョと同じものなのでしょうか??もしご存知の方がいらっしゃったら教えて下さい。
今年は「絶対に固定種じゃないと!」としたわけじゃないんですが、結果的にすべて固定種になっていました。広い畑を借りることができ、嬉しくて種苗会社や通販サイトの種のラインナップを時間を忘れてずーっと見て厳選して選んだものです。熱い思いで選んだ種が下記の『農業ビジネス 売れる野菜2021』に結構な割合で登載されていて、一人でドヤっていました。しかし、売ってなんぼの『売れる野菜2021』、売ってない私にはドヤる資格はありませんでした・・・。
来年の夏野菜の方針
今年育てたものは、一部の採り損ねたものを除いて、ほとんど種採りをして保管しています。基本的にはこの種を使いますが、今年の反省も踏まえて、次の方針を立てたいと思います。
①できるだけ固定種を育てるが、F1も検討する
最近、種の値段が高いな・・・と感じることがあります。特にF1は高いうえにちょっとしか入っていません。今後、ますます値上がりしていく可能性も考えると、固定種で種とりをしておくのはリスク管理のひとつになるような気がしています。もちろん、土地になじんだ種になってくれる等のメリットも大きいです。
ですが、トマトに関しては、うちは露地栽培で実割れがどうしてもひどく出るので、割れに強くて比較的長く愛されているF1を検討してみようかなと考えています。問題は、種子消毒はできれば無のを使いたいので、消毒の有無が事前に分かるかどうかです。
○参考:以前書いた記事
【就農・有機農業】種子消毒や種苗法について調べるとカオスになった
また、ゲノム編集のトマトもボチボチ出始めているようです。
○参考:2021年9月15日 17時34分 NHKニュース
「ゲノム編集」で品種改良のトマト 一般への販売開始 国内初
このニュースは、種や苗じゃなく、完成品のトマトの話で、さすがに種で販売されているものは私の知っている限りまだなさそうですが、数年後にはどうなっているか・・・。さすがにポリシー上、ゲノム編集のは確実に除外したいと思っています。
どのタネを使うか、慎重にならざるを得ない時代がそう遠くなくくるかもしれない・・・そんなことを考えると、やっぱり固定種で種採りをしておこうかなと堂々巡りになってしまったりします。
②一般家庭で使いやすいものを育てる
私の研修先の農家さんが「何を育てるか、たくさん有りすぎて迷うでしょうけど、売り先を考え、そこから逆算して育てるものを考えると良いですよ」と教えてくれました。本当にその通りだと思います。かつて大流行した「もしドラ」にも、まずは顧客を設定せよ、と書いてあったような記憶がうっすらとあります。(今の若い人は知らないかも。)
大阪でこの12月1日から「やさいバス」の運行が始まることになり、これにかなり期待していたのですが、今のところ私の近くは通らないようで、実質使えないことが分かりました。これが使えるなら飲食店向けのものを積極的に作ろうと思っていたのですが・・・。(諸悪の根源は、私が運転が苦手なことだいうのは分かっております・・・。)
一方、先日、伯母が「前に無農薬野菜のセットの定期便があったから試しに買ってみたけど、海外か何かの珍しい野菜が多く、どう料理したらおいしいのかもよく分からず、もてあまして1回で止めた」と言っていました。
こ、これは・・・何気にグサッとくる話でした。真っ先に思い浮かんだのはトマティーヨ・・・
飲食店向けではなく一般家庭向けにと考えると、日常的に使いやすいものが好まれるのだろう・・・、夏野菜に関しては日常使いしやすいものを来年は多めに作った方が良さそうだ、そう思いました。やさいバスが使えない当面の間は、私にとっての「顧客」は伯母のような人という設定にすることにします。
③品種はできる限り少なく
どうしても、いろいろ育てたい誘惑があるのですが、品種が多いと交配してしまうリスクがあります。また、色等で明らかに判別できるものはいいとして、どの品種か分からなくなってしまうリスクが・・・。
以上のようなことを今、考えています。(③だけすごいアッサリしてますな。)
上の表「2021年に育てた夏野菜」で◎のものは来年も育てるとして、それ以外に、トマトは「フルティカ」、ピーマンは「浜クロピー」「浜ニュークリーム」、この辺りを考えています。
コロナ以降、あくまで私の感覚できちんと確かめたわけじゃありませんが、海外の種苗会社の種のラインナップが少なくなったように感じ、また、発芽率もあまり良くないような気がしています。
世界がフラットになると思っていたのに逆戻りする時がくるとは・・・そう考えると、栽培にトライしてみたいものがあればできる時にしておくというのが一番かもなぁと思ったりもし、種苗会社のサイトを渡り歩いてどれを育てようか迷う堂々巡りの日々がしばらく続きそうです。
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