【マルシェデビュー!】準備したこと、勉強になったことあれこれ

ここ1ヶ月ほど頭痛がひどくてパソコンが見れない日が続いており、またブログの更新が滞ってしまいました。

なんとか回復してきましたので、遅くなりましたが、10月にマルシェデビューをした時のことを書きたいと思います。

1.今回のマルシェについて

近くで自然農をされているおじさんから一緒にマルシェしないかとお声がけをいただいたもので、あるマンションの住民の方むけという、限られたお客さんに向けたものでした。

マンションの掲示板にはビラを貼ってくださったりしていましたが、一般の方は入ってこられない場所なので、SNSなどでの事前の宣伝などは全くせずです。

お客さんが限られているので、出品するものは少しでいいということでした。

2.日にち指定で野菜を育てる難しさ

今回のマルシェは10月30日。この日程でマルシェしないかとお声がけいただいたのは確か3ヶ月くらい前だったと思います。よって、この日に向けて収穫できるよう準備する期間は十分にありました。

言い訳になりますが、8月下旬に夫婦でコロナに感染してしまってしばらくまともに動けず、9月に入って大急ぎで畝を整えて小松菜や大根、カブラなどの種まきをしましたが、やはりどこか雑だったのか、虫食いが多くてとても売り物にできるものには成長しなさそうだということが、早い段階で分かりました。

9月中旬になり、あと1ヶ月半と迫ってくる中、畑を見渡してみると・・・あれ?もしかしてちょっとヤバイ?と焦りが出てきました。

10月末に収穫できそうなものは・・・

10月末に何が採れそうか・・・9月中旬時点で畑を見渡してみると、次のような感じでした。

・秘伝(エダマメ)→ もうすぐ収穫なので10月末まで持たない
・丹波黒(エダマメ) → 10月中旬目安なので10月末はちょっと硬いかも
・ナスビ → 9月中旬絶好調に収穫中、10月末まで持たないかも
・ピーマン → 暑さで株が弱っていて少ししか採れなさそう
・オクラ → 9月中旬時点で背丈3mほど、10月末まで持たないかも
・トマト → 寝込んでいる間に整枝できなかったため、株が弱ってる。復活できるか微妙
・サツマイモ → 今年は植え付けが遅かったので10月末には早いかも
・サトイモ → ちょっと早いけどいけそう
・ショウガ → ちょっと早いけどいけそう

まとめると、10月末という日程は、夏野菜にはちょっと遅く、秋の味覚にはちょっと早いという感じです。

そして、サトイモは今回マルシェのお声がけをいただいたおじさんが販売されるということなので、こちらは出品を遠慮した方が良さそうということもあり、ということは、ショウガしかない・・・え?ヤバいやん。しょうがないとか言ってる場合ちゃうやん。

毎年欠かさず育てていた落花生、今年はタイミングを逃してしまって種まきをしなかったことを猛烈に後悔しました・・・

今回のマルシェは不特定多数の方が来られるのではなくて閉じた中でのマルシェなので、そんなにたくさんは準備しなくて良いと言われていましたが、せっかくの機会なので多くの方に召し上がっていただきたいという思いや、売り物がなくてスカスカなのは見っともないということもあり、やはりある程度の量は準備しなければ、と焦り始めました。

これまでの師匠に教わったことを思い出す

「就農してまだ土が出来ていなかったり技術が未熟な時はハーブを育てておくと重宝します」というのをまず思い出しました。その理由は、ハーブは丈夫で育てやすく、枝で収穫するために常に畑にあるので、売り物がない時に重宝するからということでした。

そして今回、ほんまにそうやわ・・・と、実感しました。これまで教わった数々のことは、こうやって実際に直面して初めて自分の血となり肉となる感じがします。

イングリッシュミントとローズマリーはいけそうなので、本当に売り物が何もなかったらこれを出すことにします。って、ミントとローズマリーだけのマルシェなんて見たことないけど(自虐)。

イングリッシュミント

今後は、三つ葉とか、細ネギとか、イタパセ、タイム、オレガノなど、たくさん植えておこうと思います。

それと、別の師匠に教わった「ベビーリーフはめちゃめちゃ売れます」という話を思い出しました。葉かき方式で収穫すると長く収穫できて、とても便利なのだそうです。

ベビーリーフなら1ヶ月程度で何とか収穫できるだろうと考え、保険みたいな感じで9月26日に種まきしておきました。

3.用意したもの

売り物の野菜をきっちり育てることがまず第一なのですが、合わせてマルシェならではの準備もしないといけません。

「ここで野菜を売ってますよ」と知らせるもの

購入していただけるかどうかは、まずもって「ここで野菜を売ってますよ」と知ってもらわないと話にならないので、通りがかる人の目に止まるものを準備しないとと考えました。

ちょうどその頃、市役所の農政課から「マルシェ出店者募集」という郵便物が届きました。

コロナ禍もずいぶん落ち着いてきたからか、秋はあちこちでマルシェが予定されているようで、いろいろなマルシェの応募要項が書かれています。今回は、出店の応募は見送るとして、目についたのは「備品斡旋します」というところです。

畑で直売をしたとき「のぼりがあればもうちょっと目立つのになあ」と思っていたのですが、今回、なんとその「のぼり」を斡旋してくれるとのことです。これは嬉しい!

ということで、早速申し込みました。担い手支援ということで、代金もかかりませんでした。小さいのぼりと大きいのぼりです。市役所の方が畑まで持ってきてくださいました。デザインも可愛いし、気分が盛り上がります。

大きいのぼりは布だけなので、Amazonビジネスで土台とポールを購入しました。土台の方は、水を入れて重しにするタイプのもの、ポールは3段伸縮なので使わないときもコンパクトになって良いです。私はAmazonビジネスで購入しましたが、Amazonでも販売されているようです。

あとは、ブラックボード(黒板)です。近づかなくてもどういうものを販売しているか一目で分かって立ち寄っていただけるようにと考えて購入しました。こういうのもすごく安いものも売ってますが、簡単に風で飛んだり、数回使っただけで壊れるものもあるようなので、ちゃんとしたのを購入しました。

表示ラベル

ラベルは、前回のブログでも搭載しましたが、このようなものを作りました。

このラベルを作るのに、何気にものすごい時間がかかりました。

直売所ではバーコードを読み込ませたら、産地、値段、生産者が印字された必要なラベルが出てきますが、今回は自分で作らないといけないですし、せっかくなら農園について知っていただく機会にしたいという思いもあります。

迷ったのはまず産地表示。都道府県で記載するのが原則となっていますが、今回のマルシェでは「大阪府産」という表記だと、広すぎて何となくボヤけるような気がしました。地産地消であることをもうちょっとアピールしたいところです。

どう書こうかなとのぼりを持ってきていただいた市役所の人に相談してみたら「カッコ書きでもう少し細かい地名を書かれている人もいますよ」と教えてもらいました。確かに!ということで採用し、「大阪府(堺市南区)産」という表記にしました。(今から思ったら、これくらい人に聞かずに自分で考えたら?と思いますが、我ながら頭が硬いです・・・)

次に迷ったのが、農薬・化学肥料を使ってません、というところです。

「無農薬」「無化学肥料」はダメというのは知識として知っていますが、この機会に一度ちゃんと調べようと農水省のHPで調べました。

○農林水産省HP 特別栽培農産物に係る表示ガイドライン
https://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/tokusai_a.html

上のページに搭載されている「パンフレット」や「Q&A」が比較的分かりやすいですが、こういうのって、一度調べ始めるとドツボにハマっていきませんか・・・?購入したサツマイモの苗はどうなる?とか・・・。苗を販売する際は使用農薬を表記しないといけないことになっていると新規就農者講習会で習いましたが、表記がない場合は農薬が使われてないという理解でいいのか?とか・・・

ドツボにハマり、なかなか難しくて完璧に理解できたわけではありませんが、ラベルには「栽培期間中:農薬、化学肥料不使用」と記載しました。新しく作った農園のホームページでも「使用している資材」を詳しく記載したのでこれで良いだろうと思いますが、もし、このブログをお読みの方で何か誤った点にお気づきの点があれば、ご指摘いただけると嬉しいです。どのように表示するかは、食品偽装の問題などもよく発生していますし厳格になっていく流れなのだと思いますが、なかなか複雑で難しいです。アピールになることは書きたいけれど、アウトなことは書けないし・・・

いろいろな規格や表示も、その元になるのは日々の栽培記録に行き着くわけで、栽培記録もみなさんどのようにされているんだろうと素朴な疑問です。少量多品種の場合は特に。

話を戻して、このラベルに、新しく作った農園のウェブサイトとQRコードを載せて、とりあえず盛り込みたいものは盛り込みました。

さて、このラベルをどのように作成したかですが、エーワンのラベルを使いました。Amazonビジネスで購入しましたが、普通のAmazonや家電量販店でも売られています。

大きさもちょうどいいですし、耐水性もバッチリ。540片で1170円でしたので、1片約2円です。

このエーワンのラベルシリーズの嬉しいところは、エーワンのサイトで品番を入力※すると、たくさんのテンプレートが用意されていて、いろいろなデザインのラベルが簡単に作れるところです。私が作った葉っぱとてんとう虫のラベルもテンプレートを使用しました。

※品番を入力するときに、最後のアルファベットを入力すると「該当なし」になるのでご注意。

細かい印刷の設定もせずに、ズレなく一発で印刷できました。エーワンのラベルシリーズは本当に重宝します。

あと、商品名と値札は、ラベルライターで作りました。このラベルライターも今年買ったものなのですが、これまた超便利で、語り出したら長くなってしまうのでまた別の機会に書きます。

決済端末

キャッシュレス決済に慣れたいと考えて決済端末のsquareを準備しかけたのですが、申請→承認が何段階もあって最後まで間に合わなかったので、今回は見送りました。12月に入った今でもまだ一部の決済が申請中です。

使えるようになったら追って詳細を書きたいと思います。

4.こんな感じのマルシェになりました

軽トラの荷台をお借りして・・・と聞いていたけれどスペースがなく、結局、地面に直置きになりました。プラかごを持っていってテーブル作るとかすればよかったです・・・。のぼりは斡旋していただいて大正解、華やかになって直売感がでました。

ブースは人の流れからちょっと脇に逸れた場所だったので、ブラックボードを人の流れが多い場所に置いて、立ち寄っていただけるようにしました。

直前に、サツマイモの金時と紅あずまを試しぼりしたら結構太っていたのでサツマイモを多く用意し、その他は、黄ニンジン、タカノツメ、シカクマメ、ショウガ、そしてベビーリーフが用意できました。サトイモと丹波黒枝豆は他の方が出されているので私は出品を見送りました。

寄せ集めですが「全く売り物がない」という状態は回避できて、とりあえずホッとしました。

5.勉強になったこと、反省すべきこと

ベビーリーフは本当に便利!

「保険」として1ヶ月前に種まきしたベビーリーフ。種まきしておいて本当によかったです。1ヶ月で収穫できるまでになりました。

とは言え、あくまで保険として種まきしたので少しだけしかありません。40グラムずつ袋詰めして3袋になりました。それでも、見た目が華やかですし、嵩張るので見栄えがします。レタス系なので虫食いがほとんどないというのもGOODです。

「ベビーリーフはめっちゃ売れますよ」との師匠の言葉でしたが、さてどうかな・・・と思う間も無く、開始3分くらいで全部売れました。ビックリです。まぁ全部って言っても3袋だけですが。

手積みなので収穫の手間はかかりますし夏の暑い時だと傷みが怖いですけど、「ベビーリーフは救世主」ということが分かりました。

値段設定がやはり難しい

「農薬も化学肥料も使ってなくて手間が掛かってるから、安売りすべきではない」と今回マルシェのお声がけをいただいたおじさんから言われ、私もその通りだと思うので、割と強気の値段設定にしました。ただ、「サトイモ、サツマイモは1キロ600円でいくで」といわれていましたが、主婦でもある私の目で梱包されたものを見て、さすがに1キロ600円は買わないなと思ったので、1キロ500円くらいにしました。

結果、サツマイモはそこそこ売れましたが、お客さんの反応を見て、やはり値段が強気だったかなぁという感触がありました。

隣では、丹波黒枝豆をかなり安い値段で売っておられて、すぐに売り切れていました。上のベビーリーフがすぐに売れたのも1袋100円という安めの値段にしたからというのもあるかもしれません。

ただ、物価高の今、安くすれば売れるというのは当たり前で、妥当な値段で売るようにしないと農家としてやっていけないし、自分が安売りすると他の農家さんにも迷惑がかかるということも意識しないといけないとも思います。

今回足を止めて見てもらった方は100%うちの農園のことを知らない方で、一般的には「直売=お買い得」という認識がある中、農薬・化学肥料を使っていないということはさておき、あんまり安くない、ということでガッカリさせてしまったかもしれません。でも、農薬・化学肥料を使わずに育てるのって本当に大変ですので、値段を下げるのではなく、美味しい野菜を作って、農薬・化学肥料不使用ということに価値を見出していただけて、妥当な値段で買っていただけるように、普段からコツコツ努力をするという方向でいくべきだろう、意志を強く持たなければ、と思いました。

品質チェックは直前にすべし・・・猛省

今回、シカクマメも販売したのですが、後で気づいたのですが、かなりスジがありました。下茹でしても残るレベルです。

ずっと食べてきたものなので、今回収穫したものがそんなにスジがあると気づかず、出品してしまいました。売れ残ったものを食べて気づきました。

美味しい野菜を作って妥当な値段で買っていただけるようにならねばと上で述べたのですが、正反対のことをしてしまい、買っていただいた方に申し訳なく、今後は品質チェックは直前にしないといけないと猛省しました。

営業トークを鍛えるべし

例えば、サツマイモの金時と紅あずまをじっと見ている方に対してどういう声をかけるか、そういう準備を全然してなかったのです・・・

このマルシェの2日前くらいだったか、晩ごはんに紅あずまの天ぷらを作ったらとても美味しかったので、「天ぷらにしたらホクホクで美味しかったですよ」と声をかけたらかなりの確率で紅あずまを購入していただけました。逆に金時は関西では皆さん食べ慣れているのでどういう声がけするかも思いつかず、かなり売れ残りました。

声かけ一つで売上をかなり左右するということと、どういう風に料理するかというイメージアップができれば売れやすいということを実感しました。

ちなみに、何気に夫が営業トークがうまいということを初めて知りました。私がちょっと席を外している間に、結構、売上げてました。普段このブログでコテンパンにこき下ろしてる夫ですが、今回は素直に参りました、です。

総括

今回の結果ですが、半分くらい売れ残ってしまいました。それでも得たものも大きかったです。マルシェではお客さんの反応が見れるので、こういうものを育てたら売れやすいんだなということもよく分かりました。自分で作ったものを目の前で買ってくださるというのは割とやりがいのあるものです。

今後、またマルシェをやってみたいところですが、そうなるといよいよ軽トラが必要になりそうです。先日、ダイハツに見積もりをしてもらったら、四駆、エアコン有り、オートマ、と最低限の贅沢で、150万弱でした。

150万か・・・150万円て、サツマイモ1キロ600円としても2500キロ売らないといけません。そう考えると、1キロ1000円くらいで売りたいなどというヨコシマな考えが浮かんできました。いかんいかん。

なんか変な総括になってしまいましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。

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