【就農にあたって】耕運機を購入しました

2021年6月13日

まだ農業委員会の許可まちの状態ではありますが、先行して耕運機を購入しました

(許可が降りてから土作りをしていては夏野菜に間に合わず、草もどんどん伸びてくるので、先行して作業することについて地主さんから了承をいただきました。)

今回購入するにあたり、みなさんどのようにして耕うん機を買っているんだろうと素朴な疑問でしたが検索してもあまり情報がでてこず、悩ましい思いをしましたので、どのように選んだかどこで買ったか保管はどうするのか等、この記事で書いていこうと思います。あくまで私の場合にはなりますが、少しでも読んでくださっている方の参考になれば嬉しいです。

<目次>

  1. 購入した耕うん機はこれです!
  2. どのようにして選んでいったか
    • A. もらったアドバイスの数々
    • B. どういう農業をするか次第なので前提を整理してみる
    • C. 最も重視したい点は何か(あくまで私の場合)
    • D. 上記から導き出した方向性
  3. イセキの「KVR750」(新品)に決定した理由
  4. 操作のご紹介(エンジンのかけ方等)
  5. 今後のお手入れについて
  6. 全面耕うんしてみた
  7. 耕うん機の保管方法について

1.購入した耕運機はこれです!

耕うん機(ドロがつく前の貴重な写真)

イセキのKVR7507.1馬力のミニ耕運機(新品)です。これのアタッチメントとして簡易的な畝立てができる溝浚器も合わせて購入しました。営業マンさんのご迷惑になってはいけないのと防犯のために、価格の記載は控えますが、今の私にはなかなか高い買い物でした。

2.どのようにして選んでいったか

就農にあたって、耕運機は絶対に必要です。

(不耕起も最近増えているようですが、やはり新規参入でいきなり不耕起では周りの農家さんにご迷惑をかける恐れがあるので、現時点では不耕起は選択肢から除外しています。)

さて、いざ購入するとなるとどのようなものがよいのか・・・

ある程度インターネットで自分で情報を収集、イメージアップをしたうえで、まずは近場にあるクボタとイセキの販売店に足を運びました。その後、周りの人や農業委員会の指導員にも聞いたりしました。あまり幅広くいろんな人に聞いてしまうとなんとなく断りづらくなったりとかいう問題が出てくるので、手当り次第にいろんな人に聞きまくるというのは避けました。それでも人によって言うことが全く逆だったりして、私の頭の中は混沌状態に陥ってしまいました・・・。

もらったアドバイスの数々

  1. 1反なら耕運機ではなくてトラクターにした方が良い。小さいのを買ってしまうと今後絶対にトラクターが欲しくなって後悔するはず
  2. 少量多品種を栽培するなら、トラクターはむしろ大きすぎて使い勝手が悪い、小さい耕運機が良いのでは?(1とは別の人のアドバイス)
  3. 全面耕うんする時はトラクターを持っている人に頼むことができるなら、耕運機を買うのではなく、畝立てがきれいにできる管理機を買った方が良い
  4. 細かく耕せる正逆ロータリーのが良い
  5. 正逆ロータリーは良くない、本当のプロは絶対使わない(4とは別の人のアドバイス。理由はど忘れしました・・・)
  6. 残渣も裁断できるナタ爪のが良い
  7. 中古で十分、新品はもったいない(「のうさい」というサイトを見ればよい)
  8. 中古をネットで買うのは絶対に避けた方が良い。状態が不明で余計に多額のお金がかかったり、そもそもメーカーでもそのような修理を受けてくれない場合も多い

・・・私がこんがらがったのがお分かりいただけましたでしょうか?
(アドバイスをくださった皆様、ありがとうございました。)

どういう農業をするか次第なので前提を整理してみる

こんがらがった私の頭をクリアにするには・・・どういう農業を目指しているかで選び方も変わってくるので、前提を整理します。

  • 今回お借りすることになった農地は1反弱だが、今後、3年を目処に少なくとも2反までは広げていきたい
  • 耕運機の扱いは、私も夫も超初心者である(これまでの家庭菜園では、親切なおじさんに「コマメ」のような小さいものを借りたことがあるという程度)
  • 少量多品種栽培をする予定

最も重視したい点は何か(あくまで私の場合)

何を重視するか。値段、馬力、色、メーカー、ロータリーの仕様・・・いろいろありますが、私の場合は、ダントツで安全性を重視したいと考えました。

理由は、耕運機に巻き込まれて命を落としたというニュースをこれまでに耳にしたことがあり、農業は身体も資本なので、怪我をして農業ができなくなればすべてが無駄になってしまうと考えてのことです。

上記から導きだした方向性

前提の整理と最重要視する点を決めたら、こんがらがった頭が少しクリアになってきましたので、次のような方向で選んでいくことにしました。

  • トラクターは購入しない
    • 少量多品種栽培をする予定なので、むしろ小さい耕運機の方が使い勝手が良い
    • っていうか、トラクターはそもそも予算オーバー。買うと保管場所や維持費もかかる
    • JAの正組合員になれば耕うんをお願いすることができるようになると聞いているので、いざというときはそれを利用する
  • それでもやはり耕うんもできるものがあった方が良いので、1台目は管理機ではなく耕うん機にしたい(管理機は2台目を買う余裕ができたときに検討することとする)
    • 耕うん機でも簡易的な畝立てができるものにしたい(管理機ほどきれいじゃなくてもいい)
  • 爪のことは正直使ってみないとよく分からないが、ナタ爪のが良さそう
  • 巻き込まれ事故を防ぐための装置がついているものを選択
    • できればフロントロータリーのが良いがラインナップが少ないので、フロントロータリーじゃなくても安全性の高いものを選択する
  • 超初心者の我々夫婦なので、きちんとサポートが受けられるものを選ぶ
    • 状態の良い中古が見つからなければ新品を購入(機械のトラブルのために時間を無駄にしたくない)
    • トラブルがあったときにいつでも連絡できるお店が近くにある(この時点で、クボタかイセキに絞られる)

そして、何度もクボタとイセキのお店に足を運び、絞っていきました。

3.イセキの「KVR750」(新品)に決定した理由

最終、6馬力以上の耕うん機でクボタかイセキか、というところまで絞り込み、最終的にイセキのものに決定しました。イセキの方が若干値段が高めでしたが、最後は、お店がイセキの方が近いこと、営業マンとの相性、あとは直感で決めました。エンジンの掛けやすさはクボタの方が良さそうだったので迷いましたが・・・。

本当は両方とも使ってみたうえで決めたかったところですが叶わず、ユーチューブを見ても余計にこんがらがってきたので、最後はエイヤで決めました。

こちらの耕運機は、以下が良い点だと考えました。

  • 耕運機が逆立ち状態になったような「危ない!」というときは、黄色のレバーが身体に当たって瞬時に刃の回転が止まるようになっている
  • 小型で使い勝手が良い一方で、全面耕うんにも耐えられるパワーもある
  • 正逆ロータリー、ナタ爪で、土の中に残っている残渣も細かくできる
  • 管理機ほどきれいな畝たてはできないが、簡易的な畝立てができる溝浚器がアタッチメント(別売)が付けられる
  • 操作が分かりやすい

この上位機種と迷いましたが、あまり大きくなると方向転換などの時にも重くて大変なのと、値段が10万円ほど高くなるので、小型のこちらを選びました。

蛇足ですが、「納品日はどうしますか?3月だと大安は・・・」という話になり、こんなところで六曜が登場するとは!と新鮮に思いました。農業こそ、暦を大切にしないといけないのかもしれません。まぁ結局は予定が合わず、仏滅の納品になりましたが。

4.操作をご紹介(エンジンのかけ方等)

超機械音痴の私ですが、エンジンのかけ方も分かりやすいです。(以下の写真はある程度使ったあとに撮ったのでけっこう砂埃がついています。)

イセキの耕うん機

①コックを「運転」にして、

イセキの耕うん機

②スイッチを「ON」にして・・・(なんでスイッチが①と②の両方あるんだろう・・・?)

イセキの耕うん機

③チョークを引いて・・・(チョークってなんや?)

イセキの耕うん機

④レバーが全部手前になっているかをチェックして、エンジンのヒモを引っ張ります

エンジンはヒモを引っ張るタイプのもので、昔のものに比べれば格段にかかりやすいようですが、これがなかなかかからないんです・・・。何度も引っ張って、これだけで随分つかれました。たぶんコツがあって、それが私がまだつかめていないのだと思います。ボタン式のエンジンだと言うことないのですが・・・。

5.今後のお手入れについて

さて、今後のお手入れについてです。
オイルも定期的に交換しないといけないようですが、「なんのオイルでもいいです」と営業マンさんが言ったので、ついこの間コストコで大容量のオリーブオイルを買ったばかりの私は「オリーブオイルでもいいんですか?」と超真面目に聞いてしまいました・・・。「え・・・うそやろ・・・そのレベル感・・・」という表情を営業マンさんと夫のふたりからされてしまい、この辺りの話の時は私は黙っていた方が良いなと瞬時に理解しました。

ケーブル?のお手入れの仕方なども、営業マンさんが夫にレクチャーしていました。バイクのお手入れと共通するところが多いようで、昔バイクに乗っていた夫はすんなり理解できるようでした。習うより慣れろの精神で私も追々話に入れるようになりたいと思います。

ちゃんと記事としてかけるレベルになれば、こちらに追記します。

6.全面耕うんしてみた

この日はちょっと土が湿っており、本当はこういう時に耕うん機をかけるとダマになってしまうのであまりかけない方がよいそうですが、日程的にこの日のうちにかけてしまいたかったのと、畝立ての際にもう一度かけるつもりなので、決行しました。営業マンさんによると、本来は砂埃があがるくらい乾燥している時にかけるのが良いそうです。

米ぬかに微生物資材を混ぜ込んだものをまんべんなく撒いたうえで、全面耕うんしました。(この土作りについては別記事で詳しく書く予定です。)

耕作放棄地のようなところだとこの小さな耕運機では耐えられなかったかもしれませんが、ここは前に借りていた人が最後に耕うんまでしてくれていたので、この耕運機で十分でした。

イセキの耕うん機

「荒い」と「細かい」がありますが、この日は草の残渣もけっこう残っていたので「荒い」にして、米ぬか、微生物資材とともに一気にすき込んでいきます。

ナタ爪ということもあるのか、この耕運機はちょっとした草なら難なくすき込むことができます。何度も止めて絡まった草を取り除いて・・・という作業が必要かなと思っていましたが、大丈夫でした。初日から酷使してしまいました。

イセキの営業マンさんがガソリンの携行缶をプレゼントしてくれ、これがさっそくものすごく役に立ちました。最初に半分弱入っていたガソリンだけでは足りなかったので、このもらった携行缶を持って、人のいるガソリンスタンドに出向いてガソリンを入れてもらい、途中で耕うん機に給油しました。こんなことも何気に初めてのことで新鮮です。この日使ったガソリンは、全部で7リットルくらいと思います。

イセキの耕うん機

砂で見えませんが、最後はこのコックを「排出」に回してガソリンを抜いておくのが長持ちさせるのに重要なのだそうです。

イセキの耕うん機で耕うんした後

仕上がりはこんな感じ。半分くらいは2回かけました。

基本は自走式なのでそんなに力は要らないのですが、やはりちょっとした窪みなどもあり、使っている間は気が抜けず、クタクタになりました。なんでも同じでしょうけど疲れてきたときに意識が散漫になって事故につながってしまうのだろうと実感しました。

とりあえず、一日使ってみた感想は「良い買い物をした」というところです。また今後使い続けて感じたことがあれば追記していきます。

微生物資材を入れているのでこのまま20日ほど寝かしてから畝立てをします。アタッチメントの溝浚器の使い勝手についても使ってから追記する予定です。

7.耕うん機の保管方法について

さて、耕うん機を買ったはいいものの、みなさんどうやって保管されているのか・・・ググってみても意外と欲しい情報が得られませんでした。いろんな人に聞いた情報をまとめてみると、次のような選択肢があるようです。

保管場所方法欠点
自宅自宅まで運んでガレージや車の中で保管軽トラやワゴン車が必要
貸ガレージ等圃場の近くで借り、耕うん機を押して運ぶ別途固定費がかかる
圃場の物置ヨドコウ等の金属製の物置の中に保管地主さんの許可要
初期投資要(約10万余)
撤去が大変
圃場のテント等テントやサイクルガレージなどの中に保管台風に弱い
カギがかけられない
耐久性弱い
圃場に直置きブルーシートをかけて保管虫などが結構つくらしい
圃場に直置き雨ざらしの状態耕うん機の劣化が早い
盗難されやすい

①は自宅はマンションで軽トラやワンボックス(注)は持っていないので却下、②は固定費はできるだけかけたくないので却下、③は地主さんは置いてもいいよと言ってくれて、カギがかけられるのも魅力で迷ったけれどやはり撤去が大変なので却下、⑥は絶対やめた方がいいといろんな人に言われたので却下、④と⑤が残りました。

注)ワンボックスで耕うん機を運ぶのは固定が難しいので、あまりオススメしないと営業マンから言われました

⑤かな・・・と考えて、アマゾンで次のようなブルーシートを見かけ、口コミも良いのでとりあえず購入しました。

そもそもですが、今回耕運機を購入するにあたってびっくりしたことがあります。
それは耕うん機にはカギがないこと。自転車のように、当たり前のようにカギがついていると思っていました・・・。

「この辺りは小さい耕うん機が盗まれることはまずない、盗まれるとしたらトラクターのような高価なものだ」と聞きましたが、やはり不安です。ブルーシートで覆ってロープでぐるぐる巻にして自前のカギをかけて保管している人もいるとも聞きましたが、何だかなぁ・・・

そして結局、④の保管方法にすることにして、テントのような「サイクルガレージ」をヤフー・ショッピングで購入しました。外観の写真のUPは防犯上控えさせてください。約15,000円でしたが割と良い感じです。床は今はむき出しですが、コンパネなどを敷こうかなと考えています。ちょっと大きめのものにしましたので、他のものも収納できてちょうどよいです。こういうタイプのものはあまり耐久性が期待できませんので、おそらく2,3年でダメになると思いますが、その時は、↑で買ってしまったアマゾンのブルーシートを使おうと思います。(この写真にかけているブルーシートはコーナンで買った安いものです。)

※2021/06/13追記
このサイクルガレージには後日談があります。こちらもぜひご覧ください。
5月9日のブログ 風で飛ばされた話 
6月13日のブログ ヘビがでた話

耕うん機の保管

このサイクルガレージのファスナーのところに錠を付けたらいいよと営業マンさんが教えてくれたので、また買い足そうと思います。細かい出費がなかなか辛いところでございます。

そして、具体的には伏せますが、他にも盗まれにくい工夫をしています。でもやはり、農機具メーカーさん・・・標準仕様としてカギを付けてほしいです


耕うん機を買おうと考え→購入→使ってみた→保管まで書きましたが、いかがでしたか?

使い続けてやっぱり違うな・・・というような思いなどがでてくれば追記していきたいと思います。長文になりましたが、最後まで読んでくださりありがとうございました。

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