先々を考えて「不耕起」を一部見直しすることに

私は、農薬不使用、化学肥料不使用、動物由来の堆肥不使用というスタイルで農業をはじめて半年経ち、この間、収量が少ないことや周囲の人からの農薬を使うべきという助言等で迷うことも多くありましたが、やはりこのスタイルでやる意義はあるのだろうという気持ちに今は落ち着いています。

最近、いろいろなモノの値上がりが話題に上るようになり、こう考えるようになりました。

私が使う資材

私が畑に投入する資材は、今のところ以下のものです。

①近所のお米屋さんで入手、または家庭用精米機から出た米ぬか
②ニッシンオイリオの純正菜種油粕(ほんだ農場さんのサイトから購入
③もみ殻くん炭(近隣の農家さんからいただいたもみ殻から自作したもの)
④カルテック社の「畑のカルシウム」
⑤カルテック社の「濃縮酵素液」
⑥カルテック社のラクトバチルス

カルテック社の3つは最近は使ってませんが、また状況を見て使うと思います。

肥料等の農業資材の値上がりを耳にするようになってきましたが、私が使う資材の中では肥料らしい肥料は②だけですし、できるだけ少なく使っているので多少値上がりしても何とかなるかな、と思っています。

ただ、私はお米を作っていないし、野菜をスーパーで買うこともあるので、農業資材の値上がりが食料価格にどう影響するかは気になるところです。

資材が高くなったことで採算が合わないということで農業を辞めてしまう人が増えたり、そもそも半導体のように農薬や化学肥料の入手が難しくなったりしたらどうなるんだろう・・・と考えたりもします。

前回のブログで書いたように、農薬を使わないことでバカにされることもありますが、いつか社会のお役に立つときもあるかもしれなと考えて、やはり無農薬・化学肥料不使用でやりたいと思います。

ただし、少しスタイルを変えます

ただ、前回のブログで書いた農業指導員から罵倒された件を踏まえ、少しやり方を変えようかと夫と話しました。

もっと効率的に作業をして収量を上げることを真剣に考えよう、そのためには不耕起を貫くのではなく、耕運機も使おう、ということです。

こちらのニンジンをご覧くださいませ・・・↓

黒田五寸ニンジンですが、こんな感じの出来になっています。ちょっと、土がガチガチすぎるのかな・・・と思います。

不耕起でやろうと考えていましたが、借りたばかりの畑で土が痩せ過ぎているということもあり、こういった土がガチガチすぎるところは耕運機で耕して、空気を土の中に入れ、微生物が増えやすいようにした方が土の育ちが早いのはないかという気がしてきました。

下の写真は、耕運機をかけて定植しただけの水菜ですが、土に空気が含まれていると育ちが良いという感覚があります。土が育って肥沃になってくると耕さなくても自然に空気が含まれるようになるでしょうけど、痩せている状態では耕して空気を入れてやるというのがベターなんじゃないかと思うようになりました。

痩せている土に対して、耕すべきか耕さない方がよいのか、どちらが正しいか分かりません。しかし、耕運機で耕すメリットは他にもあります。それは、耕運機で耕した方が畝を整えるのも、種まきや苗の定植も、格段に早くできるということです。浮いた時間を他の作業に使えます。これはとても貴重です。

以前、研修させてもらったタイのオーガニック農園では、広すぎて人力では無理なので大きなトラクターを使っておられましたが、耕すのは表面の20センチほどだとおっしゃっていました。やはり深く耕すと微生物が撹乱されるのでよくないと。

この研修で教えてもらったように、耕運機は使うけれどもあくまで表面だけというスタイルでいこうと思います。また、丹波黒大豆を育てた後はフカフカの土になっていましたので、そういうフカフカのところは畝を整えるだけの不耕起でやる、といった具合に状況に応じて使い分けよう、ということにしました。

耕運機を使うなら自然栽培じゃないとのご指摘は甘んじて受けさせていただきます・・・。ガソリンの値段も値上がりしており、化石燃料を使う農業は持続可能じゃないというご指摘もあろうかと思います。でも今の私には、機械の力も借りるというのが落とし所です。

なぜ効率を求めるか

なぜ効率的にする必要があるのか、それは、収量をしっかり上げて実績を作り、今後2反まで広げたいと考えているからです。(今は1反弱)

なぜ2反まで広げたいのか、それは、私の住んでいる堺市では、農地を購入するには2反以上の耕作が必要だからです。(法律上はちょっと不確かですが、確か5反以上。自治体によってこの数字は異なるそうです。)

今は借りている農地は地主さんもとても良い方で、無料で貸してくださっていますが、果樹もやりたいですし、いつ返さないといけなくなるか分からないという不安定さもあり、やはりゆくゆくは・・・狭くてもいいから、自分名義の農地を持ちたいと考えています。

ただ、私はまだ「準農家(大阪府が設けている制度)」という立場なので、仮に今2反耕作していても今は購入することはできません。しかし、今借りている農地で3年間きちんと耕作すれば購入もできるようになると市役所の方から聞いています。

だから、3年間は病気や怪我をすることなく耕作をやりとげ、3年後には少なくとも2反にはしていたい。そう考えると過去半年のやり方ではダメで、効率的なやり方でやっていこう、そしてしっかり収益を得よう、そんなふうに考えています。

おまけ(耕運機を使う弊害?)

耕運機で耕し、クワやレーキで畝を整え終わり、美しく整え終わったフカフカの畝を後にして帰宅、翌日畑に来ると、こどもの足跡で踏み荒らされていることが最近頻発しております・・・。

新雪の上に足跡付けたいという心理だと思いますが、この間、母親と一緒に畑に入ってきてきれいにしたウネを踏み荒らしているところを目撃したことがあって、そのときは「畑は蛇もいて危ないから入ったらダメ」と母親のいる前で叱ったのですが、その後も収まらず。近所の家の小学校低学年くらいの子なんですが、現行犯じゃないと別のこどもの足跡の可能性もあって強く言えないし、なにか対策を考えないと・・・いろいろと悩みは尽きません。

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