家庭菜園で「ウコン turmeric」を育ててみた

2021年4月1日

以前、畑で、あまり見かけない涼やかな葉っぱを見かけて「それはなんですか?」と尋ねるとウコンだと教えてもらいました。

その方によると、

  • ウコンはショウガと同じように育て、
  • 収穫後は乾燥させ、
  • ミルサーで粉にして、
  • 呑みすぎたという時にスプーンでひとさじすくってお湯に溶かして飲む

のだそうです。これで二日酔い知らずだということです。

へぇ〜と思っていたら、とある直売所で生のウコンが売られていましたので、ひと袋買ってみました。このページでは、ウコンの栽培の様子などを書いていきます。

<目次>

  1. 種ウコン購入
  2. 栽培期間中の様子
    • 植え付け
    • 発芽出揃う
    • ぐんぐん成長中
    • 立派な葉っぱに成長
    • 栽培を一言で言うと・・・簡単だった
  3. 収穫
  4. 春ウコン?秋ウコン??
    • 私が育てたものは・・・
    • 春ウコンについて
    • 秋ウコンについて
  5. 食べてみる
    • ターメリックラテ
    • 生ウコンをパウダーにしてみた
    • 火を入れてからパウダーにしてみた
  6. 【参考】ウコンがとても有用であるという動画

1.種ウコン購入

ウコン

2019.11.24 近くの「葉菜の森」という直売所でこの写真のものを購入しました。種ウコンとしてじゃなく、食べる前提のものです。

でもこのウコン、何ウコンなのか書かれていないんです・・・春ウコンか秋ウコンか、どっちや・・・とりあえず食べずにこのビニール袋に入れたまま台所で冬を越し、春に畑に植えることにしました。

2.栽培期間中の様子

■2020年5月4日 植え付け

一般的に、ショウガの植え付けは5月下旬頃ですが、このウコンはもう芽がでてきたので、少し早いかなと思いながら畑に植え付けました。大きめのものは適当に(こういうところがズボラなんですが)手でポキっと追って植え付けました。今から思ったら土の中でよく腐らなかったなぁと思います。身体に良いものとされる植物は、タイガーナッツを育てた時も感じましたが、それ自体が生命力が強いのかもしれません。

・関連記事:「タイガーナッツ Tiger nuts」を家庭菜園で育ててみた

2020年6月7日 発芽出揃う

ウコン

植え付けしてからわずか1ヶ月程ですが、ここまで成長しました。ショウガと同じような感じかなと思っていましたが、ショウガよりも成長が早い気がします。

土寄せするだろうと考えてちょっとくぼみを作って植え付けしています。ショウガと同じように、ジメジメしたところを好むようです。水を多めに与えて、乾燥しないように気をつけました

ハーブとスパイスの本

確かタイで買ったこの本『HERBS&SPICES』によると、turmeric(crucuma longa)のページに、「India is the main producer of turmeric」と書かれています。インドで多く作られているようです。

インドは過去に一度だけ訪れたことがありますが、ものすごく乾燥していたので、あんな乾燥しているところでこんなジメジメ好きの植物が育つのかとちょっと意外に思います。まぁでもターメリックと言えばカレー、カレーといえばインド・・・と考えると意外でもなんでもないか。

マルチもしなかったので、乾燥を防ぐためにワラを敷いておきました。

もち麦

ちなみに、ワラはこの写真の麦ワラを使っています。

これはもち麦です。もち麦はダイエットに良いと聞いたので畑の片隅で育てたのですが、そのワラが結構便利に使えるやん!と気付き、場所があるときは毎年育ててます。麦は土にも良いのでオススメです。

・関連記事: 家庭菜園の「土づくり」、私のやり方

ホームセンター等でもワラは売っていますが、けっこう高いですよね・・・。なので私は買ったことがないです。

2020年6月20日 ぐんぐん成長中

ウコン

ここまで大きくなりました。

うーん、春ウコンだと晩春に花が咲くということなのですが、花が咲く様子がありません。ということは秋ウコンなのでしょうか・・・?

2020年7月24日 立派な葉っぱに成長

ウコン

こんなに発芽率がよいとは想像していませんでしたので、株間を狭めで植えたらぎゅうぎゅうになりました。グングン伸びてます。

大きくて艶のある明るい緑色の葉っぱはこれだけでも十分観賞価値があると思います。水に濡れるとしずくがキラキラしてさらにきれいです。

そして前述の『HERBS&SPICES』の本によると、この葉っぱも、マレーシアでは料理にくるんだり、タイでは若芽を野菜として食べられているそうです。

栽培を一言でいうと・・・簡単だった

振り返ると、酷暑の中でも割と素直に成長し、乾燥に気をつけながら、随時、追肥と土寄せをしたくらいで、手間は全然かかりませんでした。乾燥に気をつけると言っても、私は週末にしか畑にいけないので平日はほったらかしで、水やりも週末だけしかしていません。ショウガよりも簡単に育つように思いました。もちろん、農薬、化学肥料は一切使っていません

3.収穫

11月に入り、成長が止まった様子。春に花が咲かなかったので秋に咲くのだろうと期待していましたが、咲く気配もありません。

ウコン

葉っぱも枯れてきましたので、11月7日、収穫することにしました。

ウコン

茎を切ったらこんな感じ。ショウガとそっくりです。

ウコン

お、結構、できてます。

ウコン

離れたところに、透明感のある真っ白できれいなカタマリを付けていました(写真左下)。これはショウガでは見たことがないですけど、なんだろう??

予想外に大量に収穫できました・・・こんなにたくさん、どうやって消費したらいいのでしょう・・・

4.春ウコン?秋ウコン?

私が育てたものは・・・

さて、この私が育てたのはいったい「何ウコン」なのか・・・。調べてみると、春ウコン、秋ウコン、それぞれの特徴は次のようです。

春ウコン秋ウコン
学名Curcuma aromatica Salisb Curcuma longa L
英名wild turmeric common turmeric     
塊茎の色薄い黄色濃い黄色
花の時期春に花が咲く秋に花が咲く
苦い苦み少ない
ウコン

今回収穫したものはこんな感じ。

ウコン

断面はこんな色です。

私が育てたものは、

  • 黄色が薄め
  • 1ミリ程にスライスしてカレーに入れてみたら超苦かった
  • 花は春にも秋にも咲かなかった

というわけで、花が春にも秋にも咲かなかったので確信はありませんが、上2つの特徴から、春ウコンだと結論づけることにしました

春ウコンについて

健康食品として出回っているウコンはほとんどが春ウコンのようです。健康効果を期待する方は、春ウコンを育ててみてはいかがでしょうか??↓↓

秋ウコンについて

カレーに入っているのはほとんどが秋ウコンのようです。秋ウコンも健康によく、カレーに使いたいという方や濃い黄色を活かした料理が作りたいという方は秋ウコンを育ててみてはいかがでしょうか??↓↓

5.食べてみる

さて、この大量のウコンをどうやって消費すればよいのでしょうか。
試しに薄くスライスしてカレーに入れて食べてみたら悶絶する苦さでした。カレーって何をいれても大丈夫という認識でしたが、まさかまさかのウコンがダメだとは・・・

こちらの『アーユルヴェーダ健康食』の本には、「生だと苦い不快な味が残るのでしっかりと火を通すことが重要」「脂溶性なので油脂とともに使うとよい」ということが書かれてあります。("ターメリック”としての説明なので、春ウコンではなく、秋ウコンの説明かもしれません。)
※この本は珍しいスパイスの使い方も詳しく書いてあってオススメです。↓

カレーに入れて悶絶する苦さだったときも、よ〜く煮込んだんだけどなぁ。

ターメリックラテ

まずはシンプルに、素材の味がわかるようなものを作ってみます。ターメリックラテです。

ギー

とりあえず、脂溶性ということなので、油としてギーを。インドっぽいですし。

ウコン

そして、すり下ろしウコン。

ウコン

ホットミルクに黒糖も入れ、しっかり火を通す。

あかん・・・やっぱり苦いです。春ウコンは胃と肝臓に良いらしいけれど、そもそも胃に到達するまでの喉と食道が受け付けてくれません。

前述の『HERBS&SPICES』の本によると、いろんなスパイスと混ぜて使うと書いてあるので、この苦さを乗り越えるには他のスパイスの力を借りるのが良いかもしれません。

そして、こちらのターメリックラテの作り方の動画を発見!

ウコン、ショウガ、シナモン、ハチミツ、バニラエッセンス、コショウ、が材料のようです。ウコン単独よりもずっと美味しそうなので、ぜひお試しください。市販のもあり、こちらの商品説明には、「強力な抗炎症作用を持つと考えられており・・・」と書かれています。若返りそうなのでお財布に余裕がでたら買ってみたいです。

生ウコンをパウダーにしてみた

初心に戻って、畑で教えてもらったとおり、乾燥させて粉にして保存しておくことにします。アマゾンで購入したこちらのミルが、こういうときにとても便利に使えます。タイムセールを狙って購入しました。

ウコン

生ウコンをざく切りにしてミルにかけてみた。パウダーになるかなーと期待しましたが、こんな湿り気のある状態ではパウダーになるわけがありませんでした。

(一般的なやり方としては、薄くスライスにして乾燥させてからミルサーにかけるようです。)

ウコン

広げて乾燥させてみます。カビないようにときどき引っくり返したりしながら、2週間ほど放置。

ウコン

この時点でパウダーになっているかと思っていましたが、パウダーになっていません。まぁそうでしょうな。鮮やかな黄色が茶色っぽく変色しました。

ちなみに、右の方にある大きなカタマリは、皮を向いて丸のまま乾燥させてみたものです。

ウコンパウダー

上のをもう一度ミルにかけてみたら、今度はちゃんとパウダーになりました。

ウコンパウダー

とりあえず瓶に入れて保存しておきます。前述の「アーユルヴェーダ」の本に書いてあるように、よく火を入れ、かつ、他のスパイスと一緒に混ぜる料理に使おうと思います。(やっぱりカレーかラテになる予感。)

火を通してからパウダーにしてみた

上記で、生ウコンをパウダーにする方法をご紹介しました。

これで当記事は書き終わった、ヤレヤレと思っていましたら、Useful Tropical Plantsというサイトに「steamed or boiled before drying and grinding into a powder for use in tablets(蒸したり煮たりした後、パウダーにして使用する)」と書かれているのを発見・・・。え?そうなん?先に火を入れるんや・・・と思いましたが、気を取り直して先に火を入れるやり方でパウダーを作ってみました。

・Useful Tropical Plants のウェブサイト:Curcuma aromatica

ウコン

皮を向いて、セイロで15分程、蒸しました。

ウコン

蒸し上がりの熱々のを包丁でスライスしました。干し芋みたいです。独特の匂いが充満しています。どんな匂いか説明が難しいですが、ハッカのようなスーッとする清涼感のある匂いです。

ウコン

天日干しが待てないので、電子レンジで乾燥させてみました。電子レンジにかけるならそもそもセイロで蒸さなくても良かったのでは?と思われるような気がしますが、そこはサラッと流してください。

水分が少ないものを電子レンジにかけると発火する恐れがあると聞いたことがあるので、常にレンジの前に待機して監視しながら何度かチンしました。こんな感じでビビリなので、いつもは"天日干し派”です。

ウコン

そしてミルサーへ。

ウコン

あれ?こちらの方法で作った方は、鮮やかな黄色のままです。

鮮やかな黄色のままなのは、今日作ったばかりで時間が経過していないからなのか、火を通したからなのか、現時点では分かりません。2週間ほどこのまま置いて、またレポートします。

※2021/03/24追記
1ヶ月以上経ちましたので、追記します。本日撮った写真です。

ウコン

・写真右:生のを乾燥させてパウダーにしたもの
・写真左:火を通してからパウダーにしたもの

火を通してからパウダーにしたものは、鮮やかな黄色を保っていました。
成分的なことは分かりませんが、少なくとも見た目は、火を通してからパウダーにした方が良いのだろうということが分かりました。ご参考まで・・・。

6.【参考】ウコンがとても有用であるという動画

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。美味しいものではなさそうと思われたと思います。でも、美味しくなくてもウコンはとても有用な食べ物のようです。以下の動画で、歯を白くする、ニキビを取り除く、育毛、免疫アップ、ガン予防、ダイエット効果などが紹介されています。(説明欄に"Curcuma longa”と書かれているので、秋ウコンと思われます。)

これだけの効用があるウコン、育てるのは簡単ですのでぜひ育ててみてくださいね。

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